悪くなった歯並びを矯正する方法。歯の健康は全身アンチエイジング

歯並びがきれいなことは健康寿命と大きく関わっています。口が健康な人はいくつになっても自分の歯で食事ができるからです。

また、体のことだけでなく歯並びは見た目の変化とも関係しています。歯の調子が悪いと顔まで老けて見えることがあります。

それを防ぐためには歯科矯正を行うことが重要です。アンチエイジングに効果的な歯並びの矯正について見ていきましょう。

歯並びが悪いことで起こる年齢化

老化は口から始まると言っても過言ではないほど、歯並びと見た目には深い関係があります。

また見た目の変化だけでなく、体の老化にもつながるのが歯列の不整合なのです。まず歯並びの悪化が招く老け見えについて解説します。

顔の筋肉が引っ張られて小じわの原因に

通常上あごの骨は、頭蓋骨と多くの筋肉でつながり、ぶら下がっている状態になっています。この筋肉のと骨の接合はとても複雑な構造をしています。

歯並びが悪くなるということは、顎の骨と筋肉との接触に影響を与えます。歯根がおかしな位置にあると、筋肉を変な位置まで引っ張ってしまいます。

よく、高齢者の方は口元に小じわが多くできてていますが、その原因はこうして不整合になってしまった歯が顔の皮膚や筋肉を引っ張っていることによります。

このように小じわの寄った口元は、年齢よりも老けた印象を人に与えてしまいます。口は顔の印象を決める大切なパーツなのです。

口呼吸になることで顔全体が老けてしまう

歯並びが悪くなることで心配なのは、歯と歯のかみ合わせが悪くなってしまい、口をうまく閉じられなくなってしまうことです。

噛み合わせが原因で口呼吸をする人が増えており、問題になっています。口呼吸をしてしまうことで起こる老化です。

  • 口が開いたままになるので口角の筋肉たるむ
  • 口を上に持ち上げる筋肉が衰える
  • 頬の筋肉が衰える

このようなことが重なると、フェイスラインが崩れてしまったり、頬の皮膚がたるんでほうれい線ができてしまったり、顎の辺りに脂肪が溜まってしまいます。

また、口呼吸をし続けていると口の中が乾いてしまって虫歯菌が繁殖しやすくなり、歯が侵食されることで余計に歯並びが悪くなるという悪循環になってしまいます。

食べられるものの種類や量が減って気持ちが老ける

健康な歯を保っているということは、体や見た目だけでなく心のアンチエイジングにも不可欠なことはあまり知られていません。

ですが、歯並びが悪くなり、かむ力が弱まって今まで食べていたものがなかなか食べられなくなると、顔が歪む、しわが増えるなど見た目に自信をもてなくなります。

それだけでなく、柔らかいものばかり食べるようになると、脳に十分な血液が届かなくなって組織が不活性化し、気持ちが落ち込みやすくなります。

この先にあるのが老人性うつとも言われています。歯並びが悪くなることで気持ちの老化も招いてしまうのです。

歯並びを改善するためのセルフケア方法

悪くなってしまった歯並びを自力で治す方法は、基本的にはないとされています。ですが、セルフケアの方法は歯科矯正の現場でも考案されています。

自宅でもできる歯並びのセルフケアの方法を紹介します。毎日続けることで、歯並びが悪化することを防ぎましょう。

ついてしまった悪い習慣を正す

歯並びは遺伝的に悪くなってしまう場合もありますが、多くは日常の習慣の結果として上下の咬合が変化していきます。

そこで、歯並びを悪くする習慣を直すことによって、歯並びが悪くなるのを防ぎましょう。

歯並びを悪化させるものの例として、頬杖をつく、片方の奥歯でばかりものを噛んでいる、柔らかい、酸性度の高いものばかり食べているなどがあります。

中でも、うつ伏せ寝の習慣を持っている人は要注意です。人の頭は大変重いものなのですが、うつ伏せになるとその重さが顔全体にかかってしまいます。

もちろん歯にも相当の圧力がかかります。そのため、少しずつ歯茎のバランスが崩れていってしまい、やがて歯並びが悪くなるのです。

うつ伏せ寝の習慣を改めるには、寝る前のストレッチが効果的です。うつ伏せが癖になっている人は、いきなり仰向けになると窮屈で落ち着かないかもしれません。

そこで、ストレッチによって骨盤を中心に全身の血流を改善すると、自然と筋肉もほぐれてリラックスでき、仰向けの姿勢がとりやすくなります。

唇と舌の筋トレをする

先にあげた口呼吸を直すためと、歯を正しい位置に保つために、唇と舌の筋肉を鍛えて双方が正しい位置にあるように整えることも効果的です。

唇や下の筋トレは、歯を正しい位置に保つだけでなく、明るい表情を作るためにも多きな意味があり、アンチエイジングには欠かせません

唇を鍛える風船トレーニング

  1. 口をしっかり閉じて口腔内に空気をためる
  2. 右頬に空気を集める(5秒間)
  3. 左頬に空気を集める(5秒間)
  4. 上唇に空気を集める(5秒間)
  5. 下唇内側に空気を集める(5秒間)
舌の筋肉を鍛えるあいうべ体操

  1. 口を開いて「アー」の形をとる
  2. 次に「イー」の形をとる
  3. 唇を突き出して「ウー」の形をとる
  4. 最後にベーというつもりで舌を伸ばす

こうした筋トレをすることによって、口を閉じる力を高めたりものを噛む力を維持することができます。そして、歯並びが崩れるのを防ぐのです。

セルフケアを取り入れて口の老化を防ぎましょう

口の老化は足腰の老化よりもさらに深刻です。見た目が老けてしまうこと、消化器官が弱って不健康状態になってしまうことにつながるからです。

それを防ぐために、きれいな歯並びで美味しく食事を取ることが欠かせません。歯並びを維持するには悪い習慣を改めたり、口の筋トレをするのが効果的です。

歯並びがきれいだと見た目の健康美も手に入ります。毎日少しずつケアをして、見た目も中身も若々しく過ごせるようにしましょう。

Topics歯列矯正

噛む力が弱まると体は老ける?アンチエイジングのためのケア方法

日本人の噛む力は年々低下していっていると言われています。それは子どもから大人まで広く起こっていて、社会問題とも捉えられています。 中でも中年以降に起こる噛む…

噛み合わせは年齢とともに変わる!全身への影響と治療法

歯と歯の噛み合わせは、健康な食生活を保ち、また充実した毎日を送るためにも、正常な状態を維持しなくてはいけないものです。 ですが、どんな人でも年齢を重ねるのと…

歯並びが悪いことで起きてしまうトラブル。セルケアで悪化を防ごう!

子どものころから歯並びがよかった、あるいは成人前に歯科矯正を行ったからもう歯並びの悩みはない。と安心してはいけません。 人間の歯の位置は年齢を重ねるごとに変…

歯の噛み合わせは加齢によって変わる?思わぬ不調の原因にも

上あごの歯と下あごの歯の接触関係のことを、咬合といいます。噛み合わせのことですね。歯の噛み合わせは年齢によって徐々に変わっていきます。 噛み合わせが悪くなっ…