美白成分を知ろう!自分に合った美白化粧品を選ぶために必要なこと
シミやソバカスに悩んで美白化粧品を使用している方も多いと思いますが、自分が使っている美白化粧品にどのような成分が配合されているかわかっていますか?
美白化粧品と言っても、含まれている成分には様々なものがあり、またその働きも様々です。中には美白の効果が高い分、刺激が強い成分も…。
今回は、美白成分について詳しくみていきます。自分の目的や肌質に合った美白成分を見つけてみましょう。
Contents
美白化粧品は「医薬部外品」に分類される
美白化粧品はすべて「医薬部外品」と表示されています。「医薬部外品」とは、厚生労働省が認可した成分が、一定の濃度で配合されているもののことです。
そして、ある症状を治療するためのものではなく、ある症状を予防、防止することを目的としているものです。
ちなみに、「薬用」と表示されているものは、「医薬部外品」の中の「薬用化粧品」に該当するものなので、つまり「薬用=医薬部外品」となります。
「美白化粧品」と表示できるのは、厚生労働省に認められている成分を配合しているものだけ!
美白化粧品は様々なメーカーから様々なものが販売されており、それぞれに特徴があります。そのため、美白成分もたくさんの種類があるように思えます。
しかし実際は、厚生労働省により認められた約20種類の成分を含んだものだけが「美白化粧品」と表示して販売することができます。
美白成分の働き
美白成分の働きは、シミやソバカスの予防と、そして今あるシミやソバカスを薄くすることです。具体的には以下のような働きを持っています。
メラニンの生成を抑制する
メラニンは本来、肌を紫外線ダメージから守るために作られるものです。
そのため悪いものではありませんし、たとえ作られても肌のターンオーバーによって古い角質と共に剥がれ落ちていきます。
しかし浴びてしまった紫外線量が多すぎる、老化や生活習慣の乱れなどによりターンオーバーが正常に行われなくなると、メラニンが肌に定着しシミやソバカスになってしまいます。
美白成分には、そもそもメラニンの生成を抑制する働きを持っているものがあり、シミやソバカスができるのを防ぎます。
メラニンを還元する
美白化粧品はメラニンの生成を抑制することがメインですが、中にはメラニンを還元する働きを持つ成分を含んでいるものもあります。
メラニンを還元するとは、今あるシミやソバカスを薄くすることを指します。
紫外線などによってメラニンが生成されると、メラニン色素が肌の角質層で化学反応を起こすことで酸化し、シミやソバカスのもとになる黒色メラニンとなります。
メラニン還元作用を持つ美白成分は、できてしまった黒色メラニンを無色に戻すことができます。
メラニンの排出を促進する
通常では約28日周期で行われる肌のターンオーバーは、老化や生活習慣の乱れなどが原因でどんどん周期が長くなっていくことがあります。
ターンオーバーが正常に行われないと、古い角質と一緒にメラニンも蓄積し、シミやソバカスができてしまいます。
そこで、ターンオーバーを促進することで、蓄積した古い角質やメラニンを排出することで、シミやソバカスを薄くする働きを持つ美白成分もあります。
代表的な美白成分
美白成分の中で代表的なものとその働きを紹介します。よく耳にするものから、あまり聞き馴染みのないものまで、それぞれの特徴と共にみていきます。
最も代表的な美白成分「ビタミンC誘導体」
そのままでは壊れやすく浸透しにくいビタミンCを、安定化させ、浸透力をアップさせたもののことです。
最も代表的な美白成分と言うことができ、その働きも優れています。
- 抗酸化作用
- メラニンの生成を防ぐ
- メラニン還元作用
- 肌のターンオーバーを促進する
などです。
安全性が高く、敏感肌の方でも安心して使用できる美白成分と言われていますが、刺激の感じ方には個人差が大きいので、充分注意しながら使用してください。
味噌などに含まれている「リノール酸」
「リノール酸」はひまわり油などの植物油や、味噌などに入っている成分です。
美白成分として使用されているのは味噌などに含まれている「遊離リノール酸」と呼ばれるものです。
植物油に含まれるリノール酸は過剰に摂取すると、アレルギーなどを引き起こす可能性がありますが、「遊離リノール酸」は安全性が高い成分です。
- メラニンの生成を防ぐ
- メラニン還元作用
- 肝斑を改善する
さらに、難点もあった「リノール酸」を改良して化粧品に使用しやすくしたものが「リノール酸S」という成分です。
この成分はサンスターが開発し、今では美容クリニックなどでも広く使用されています。
チロシナーゼ自体を減らすことができる成分はめずらしく、「リノール酸S」の魅力となっています。また副作用の報告もなく、安心して使用することができます。
効果が高く安全な「アルブチン」
「アルブチン」はコケモモなどの植物に含まれている成分で、美白成分「ハイドロキノン」と「ブドウ糖」を結合させた成分です。
「ハイドロキノン」は美白効果が高い分、肌への刺激が強く誰でも使用できるものではなかったのですが、「アルブチン」は刺激が少なく、安全性が高くなっています。
さらに、肌に吸収されると一部が分解されることで「ハイドロキノン」に変化し、メラニン色素を薄くする働きも持っています。
杜氏の手が白く美しいことで研究が進められた「コウジ酸」
お酒や味噌などに含まれる麹に含まれている成分です。三省製薬によって「コウジ酸」が「チロシナーゼ」の働きを抑制することを発見しました。
皮膚科などで、「ハイドロキノン」を使用できない患者へ処方される場合もあります。
- メラニンの生成を抑える
- 黄ぐすみを抑える
- 抗酸化作用
- 抗炎症作用
体の中から美しくなるには、甘酒を飲むのもオススメです。さらに、以前は発がん性があるのではないかと疑われたコウジ酸ですが、現在は安全性が保証されています。
若返りの成分とも呼ばれる「プラセンタエキス」
肝炎や更年期障害などの治療にも使われる成分で、動物の胎盤から抽出されます。美白効果としては、「チロシナーゼ」を抑制する働きを持っています。
その他、アンチエイジングには欠かせない成分で、肌のターンオーバーも促進します。
ただ、肌のターンオーバーを促進することで、メラニンを含んだ古い角質を剥がれ落としやすくすることができるので、メラニン色素の沈着を防ぎ、シミやソバカス対策となります。
天然ポリフェノールの一種であり安全性の高い「エラグ酸」
イチゴなどの果物に含まれている天然のポリフェノールの一種です。抗酸化作用が高く、老化防止も期待できます。
「エラグ酸」の美白効果は高く、シミやソバカスの予防だけでなく、今あるシミやソバカスを薄くする効果も期待できます。
しかし高濃度で化粧品に配合するのが難しく、「エラグ酸」の効果を最大限に受けることができないのが現状です。
現在では、シミやソバカスの予防として「エラグ酸」を使用するのが主流です。
資生堂が開発した高い美白効果を持つ成分「4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)」
「4MSK」は資生堂が開発した美白成分で、代表的なものでいえば「HAKU」シリーズに配合されています。
「サリチル酸誘導体」には、角質をやわらかくする働きを持っているので、ピーリング剤などにも使用されており、メラニンを含んだ古い角質を剥がれやすくします。
「4MSK」は高い美白効果が期待でき、シミやソバカスの予防に加え、メラニンを排出させ、さらにメラニンの再発生も防ぐことができます。
「ビタミンC誘導体」と一緒に配合することで美白効果がアップする「ニコチン酸アミド」
「ニコチン酸アミド」は、別名「ナイアシン」または「ビタミンB3」とも呼ばれる成分です。
メラニンが肌の表皮細胞に送り出されるのを抑制し、メラニンの過剰な表面化を防ぐ働きを持っています。
さらにセラミドの合成を助けたり、肌の血流を良くすることで、肌を美しく保つ働きも持っています。他の美白成分に比べて刺激が少ないので、安心して使用できます。
高い美白効果を持つものの刺激も強い「ハイドロキノン」
当初は美容クリニック等のみで使用されていましたが、2001年以降は市販でも手に入れられるようになりました。
- メラニンの生成を抑制する
- できてしまったメラニンの色素を薄くする(ハイドロキノン特有の働き)
つまり、「ハイドロキノン」は、シミの予防も今あるシミの改善も両方を叶える成分です。
「ハイドロキノン」の配合率は、市販化粧品で1~4%が基準です。
できるだけ高濃度のものを選ぶことでより高い美白効果が期待できますが、2%以上のものを使用する際は注意が必要です。
さらに「レチノール」と一緒に使用することでより高いシミ改善効果が期待できますが、肌表面の皮が剥けることでシミを薄くしていくので、コントロールは難しくなります。
植物由来の成分で安全性の高い「ルシノール」
化粧品メーカーの「ポーラ」が開発した、シベリアのモミの木から抽出された美白成分です。
先に紹介した「アルブチン」の数百倍もの美白効果があると言われており、さらに「ビタミンC誘導体」と一緒に配合することでより高い効果を発揮します。
高い美白効果を持つ「ハイドロキノン」と同じような美白効果を持っていますが、「ルシノール」は植物由来のため副作用がなく安全性が高いという特徴があります。
従来の美白成分とは異なるメカニズムを持つ美白成分「マグノリグナン」
「カネボウ化粧品」が13年もの歳月をかけて開発した美白成分で、ポリフェノールの一種です。
「チロシナーゼ」がメラノソーム(メラニンを含む細胞小器官)に移動するのを阻害したり、「チロシナーゼ」の量を減らす働きを持っています。
「チロシナーゼ」に直接働きかけてメラニンの色素沈着を防ぐという「マグノリグナン」特有の美白効果は、従来の美白成分にはない新しいメカニズムです。
花王が開発したカミツレの葉から抽出される成分「カモミラET」
「カモミラET」は「花王」が開発した美白成分で、カミツレの葉から抽出されます。「カモミラET」には、浴びてしまった紫外線をなかったことにしてくれる働きを持っています。
さらに肌のターンオーバーを促進する働きを持っているので、シミの元になる蓄積されたメラニンを古い角質と一緒に排出する働きもあります。
植物由来の成分のため安全性は高いですが、キク科の植物にアレルギーがある方は注意が必要です。
肝斑の改善効果を持つ「トラネキサム酸」
肝斑に効果のある美白成分として広く知られている美白成分で、人工的に生成されたアミノ酸の一種です。さらに、肌荒れの改善も期待できます。
美白成分は植物由来の安全性の高いものが多いが、中には副作用のあるものも
美白成分の中には、刺激が強いものがあったり、植物由来の成分ゆえに、その植物自体にアレルギーがある方は副作用が起こる可能性があるものもあります。
また美白成分で代表的な事件といえば、約2万人もの女性が被害を受け、2013年に自主回収された「カネボウ」の「白斑事件」です。
白斑とは、メラノサイトが何らかの原因によって減少や消失する症状で、肌の色の一部が抜けて白くなってしまう後天性の病気です。
その白斑が、カネボウが開発した「ロドデノール」という成分が原因となり発症したのです。
この「ロドデノール」は、厚生労働省から承認されている成分であり、安全性が高いと考えられていた成分でした。
「ロドデノール」だけでなく、美白成分は開発されてからまだまだ歴史が浅いものが多いのが現状です。
美白化粧品を使用していてもしも違和感を感じたら、すぐに使用をやめ、医師の診断を受けるようにしてください。
美白化粧品は成分にこだわって選ぼう
美白化粧品に配合されている美白成分はいろいろなものがあり、その働きも様々です。
今以上にシミを増やしたくないのか、今あるシミを薄くしたいのか、またただのシミではなく肝斑なのかで取り入れるべき美白成分は変わってきます。
効率よく美白効果を得られるように、自分に合った成分を配合した美白化粧品を選ぶようにしてください。
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