口臭の原因は歯周病かも?歯の健康を保つためのケア方法

口臭には2種類のものがあります。どんな人にも体臭があるように、自然に発しているものを生理的口臭といい、これはいずれ気にならなくなるものです。

対して病気や生活習慣が原因の、いわゆる悪臭の部類に入るものを挙げて口臭といいます。口臭を発する原因の第一に、歯周病があります。

成人後は歯周病になりやすいことから、口臭も気がついたら悪くなっている場合があります。しっかり防ぐことが重要です。

悪玉菌の歯周病菌が原因で起こる「病的口臭」

人の口内は、寝ている間などに自然に菌が増えることがあり、起床時には口がにおう場合もあります。これは生理的口臭と呼ばれる自然なものです。

口臭の種類にはこのほかに3種類あります。

  • 外因的口臭 タバコ、にんにくなど食習慣や生活習慣が原因の口臭
  • 心因的口臭 本当は臭くないのに、本人が臭いと感じてしまう一種の神経症状
  • 病的口臭  病気が原因で発生する口臭

女性はこれ以外にも、更年期以降ホルモンバランスが崩れることによって口臭が強くなる場合もあります。

病的口臭の原因となる病気には、糖尿病や肝臓病もありますが、もっとも身近で罹患しやすいものが歯周病です。

口の中には数百種類の常在菌がいます。その中の悪玉菌と呼ばれているものが歯周病菌です。

成人後は、唾液の量が減ったり、口が乾燥しやすくなることから歯周病にかかりやすくなります。特に40代以降からの症状は深刻です。

歯周病菌によって口臭が発生する仕組み

歯と歯茎の間の隙間のことを歯周ポケットと言います。3、40代に入ると自然と歯茎が痩せて歯周ポケットが広くなってしまいます。

歯茎が痩せる原因には様々なものがあり、個人差もあります。歯周ポケットが広がってしまうと、そこが歯周病菌の繁殖地になって病気が蔓延します。

歯周病菌の菌床ができると、増殖した細菌が、新陳代謝を行うときに悪臭の原因物質を発生させます。

その一例です。

  • 硫化水素
  • メチルメルカプタン

これらのガスが作られると、口が臭うようになってしまいます。逆に言うと、きつい口臭が気になりだしたら、歯周病が進行している兆候かもしれません。

ひどくなると歯を失う歯周病セルフチェック

口臭は歯周病の特徴のひとつです。歯周病は歯茎の下の象牙質を溶かしながら進行するので、ひどくなると歯が抜けたり物がかめなくなってしまいます。

口臭に対処するためにも、歯周病の予防がまずは重要です。歯周病に掛かっていないかセルフチェックをして見ましょう。

歯周病の人に見られやすい代表的特徴7つ

口臭のほかに、歯周病に掛かっている人の特徴を挙げます。3つ以上当てはまる場合は状態が深刻です。

  1. 歯茎が赤い、または黒っぽい
  2. 物が歯に挟まりやすい
  3. 口の中がねばねばする
  4. 歯茎が腫れている
  5. 歯茎から血が出る
  6. 血の中に膿が混じっている
  7. 歯がぐらぐらしている
血の中に膿が混じっていたり、歯がぐらついているような場合には、既に病気はかなり進行しているのかもしれません。

その場合は、最悪歯を抜かなくてはならない場合もあるので、速やかに病院に相談しましょう。

口臭を悪化させないための歯周病のセルフケア

歯周病の原因となり、悪臭を発生させるもととなっているのは、プラークという細菌の塊です。これは、食べかすが歯に付着してそこから菌が育ったものです。

そこで、まずはプラークが歯にできないよう、食後の食べかすをきれいに取り除いてしまうことが必要になります。

歯ブラシで落とせる汚れは約60%程度

歯ブラシや電動歯ブラシを使って歯の汚れを落とすのが一般的ですね。しかし、こうした方法で出来る歯の洗浄は、汚れ全体の60%程度でしかないと言われています。

特に40代ごろからは、徐々に歯列が移動して歯並びが悪くなり、歯のかみ合わせなども悪くなっていくので、歯ブラシが届かない歯の隙間が出来てしまいます。

そこで、歯ブラシと平行してデンタルフロスを使うことで、プラークの除去率を80%まで上げることが出来ます。

デンタルフロス、または歯間ブラシを使って、歯と歯の隙間に溜まってしまった汚れにしっかりアプローチすることが重要です。

歯磨きをするときは歯茎の周辺を重点的に

歯周病菌は歯の象牙質の表面で増殖していきます。象牙質は普段歯茎に包まれていますが、口の年齢化によって歯茎が下がると露出してしまいます。

そのため、歯周病は歯と歯茎の境目を中心に進行していきます。歯磨きもこの隙間を重点的に行いましょう。

歯ブラシを軽く持って、歯をごしごしこするのではなくマッサージするように、歯茎の血流が良くなることを意識して磨きましょう。

あまり力を入れすぎると、かえって歯茎が下がる原因になってしまうので、あくまで優しくブラシを使います。

クリニックで定期的なクリーニングを受ける事も重要

プラークは、溜まると歯の表面で歯石という硬い組織になってしまいます。この歯石の上でも歯周病菌は増えていきます。

歯石は歯磨きではなかなか落とせないので、歯科医師のクリーニングによってきれいにしてもらうことも重要です。

特に更年期以降は、掛かりつけの歯科医師を決めておいて定期的に歯の状態を見てもらうことも大切です。

歯周病以外の口臭の原因が見つかることもあるので、自分の口腔の具合をチェックすることは他の病気を防ぐためにも重要なことです。

口臭はエチケット、歯周病に対処して防ぎましょう

口臭には様々な原因がありますが、その中に歯周病が上げられます。歯周病が進行すると歯が抜けてしまったりします。

口の臭いがきつくなったなと感じたら、それは歯周病が進行している予兆かもしれませんね。歯磨きやデンタルフロスでしっかりと防ぎましょう。

歯周病の原因は菌の塊のプラークです。これをきれいに落とすためにも、定期的な歯科医師診断を受けることも視野にいれてケアをしましょう。

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