猫背の原因。5歳老けて見える!?放置できない体の癖
今これを読んでいる貴方の背中、まあるくなっていませんか?自分では見えない猫背の貴方は、実際の年齢より老けて見られているかも…。
老けて見える人の特徴として「姿勢が悪い」事が挙げられます。実年齢よりも5歳程度上に見られるとか。これって結構深刻な問題ですよね。
それだけではなく肩や首のコリ、偏頭痛、自律神経の機能低下や内臓疾患など、様々な不調の原因にもなります。猫背は見た目だけではなく、健康にも悪い影響を与えるのです。
姿勢の美しい人と猫背の人って何が違うのでしょう?猫背の要因になるものは色々あります。猫背の原因についてお話しします。
Contents
そもそも猫背ってどういう状態?猫背にタイプがある?
正しい姿勢の場合、横から見た背骨は首→胸→腰→お尻→尾骨にかけて、なだらかなS字を描いています。これに対して猫背の人は、頭と肩が前に出て胸が出て、胸が閉じた状態になり、背骨が大きく丸まった形になります。
猫背は医学的には円背(えんぱい)と呼ばれます。更に猫背にも幾つかのタイプがあります。
- 首猫背(ストレートネック)…頭が前に出ているタイプ。よく下を向く人、長時間スマホを見ている人などに多く見られます。
- 背中猫背…背骨の真ん中あたりが曲がっているタイプ。前屈みになる事が多い人や、長時間パソコンに向かっている人に多く見られます。
- 腰猫背…背骨の腰部分が曲がっているタイプ。あぐらをかく人や畑仕事をする人、高齢者に多く見られます。
- 反り腰…骨盤が前傾し、腰が前に反っているタイプ。体のバランスをとる為に猫背になってしまいます。女性に多いタイプです。
首から腰までを繋ぐ背骨と骨盤のどの部分に問題があるか知っておく事が大切です。
貴方は猫背?反り腰?チェックしてみよう
猫背・反り腰をチェック出来る方法があります。壁を使って簡単に出来ますので、ご自分の姿勢をチェックしてみて下さい。
まず壁に背を向け、少し離れた位置に立ちます。そしてそのままの姿勢で壁につくまで後ろに下がります。壁についたところで、以下のどのタイプにあてはまるか確認しましょう。
正常 | 猫背 | 反り腰 |
---|---|---|
・お尻と背中が同時に壁についた ・壁と腰との間に片手がギリギリ入る ・頭が壁についている |
・背中が先に壁についた ・壁と腰との間に手が入らない ・頭が壁についていない |
・お尻が先に壁についた ・壁の腰との間に手がスッと通せる ・頭が壁につかず、お腹が前に出ている |
変に意識せず、自分にとって「自然な立ち方」でチェックするようにしましょう。
筋力の衰えや萎縮が原因。バランスよく筋力を維持するべし!
正しい位置にある背骨は、様々な筋肉の力によりあるべき位置に保たれています。しかし加齢や運動不足による筋力低下や、筋肉が縮んだままの状態でロックしてしまうと力の均衡が崩れ、背骨が歪み猫背になってしまうのです。では、どのような筋肉が猫背に関係しているのでしょうか。
- 広背筋の縮み
- 広背筋は、肩甲骨の下に広がる骨盤から上腕骨を繋ぐ筋肉です。腕を後ろに引いたり、内側に捻る時に使われます。
この筋肉が縮んだままになると、肩が前へ出て内側へ巻いた状態になります。
- 腸腰筋の縮み・衰え
- 腸腰筋は骨盤周辺にある3つの筋肉(大腰筋・小腰筋・腸骨筋)の総称です。腰骨と足の骨を繋ぐインナーマッスルの一部です。
股関節を曲げる働きがあり、前屈したり足を上げ下げする時に使われる筋肉です。
加齢と共に衰えやすい筋肉で、この筋肉が萎縮すると骨盤が前傾し反り腰の原因に、筋力が弱くなると骨盤が後傾し、体のバランスを取る為に背骨が曲がってしまいます。
- 大胸筋の縮み
- 大胸筋はいわゆる「胸板」と呼ばれる部分に広がる筋肉です。腕を横に上げ下げしたり、物を抱きかかえたりうつ伏せの状態から体を起こす時などに働く筋肉です。
腕をあまり動かさずにいると萎縮し、肩が前に引き寄せられ、猫背の原因となります。
- 腹筋の衰え
- 最後に一番馴染み深いと思われる腹筋です。筋トレをした事があるという方も多いのではないでしょうか。
腹筋の役割は、内臓をあるべき位置へ収め、支える事です。腹筋が弱いと内臓が支えられず下がってきて、それにつられて背中が曲がってしまうのです。
以上のような筋肉の機能低下が猫背の一因です。猫背改善の為にストレッチをしたり鍛える場合は背骨にかかる力の均衡が崩れないよう、バランスよく行う必要があります。
背骨の関節が固まると「伸びない猫背」になる
猫背には「伸びる猫背」と「伸びない猫背」があります。うつ伏せに寝た時などに、一時的に背中の丸まりが解消される人は、背骨の関節に柔軟性がある伸びるタイプの猫背です。
一方、背中の関節が固まってしまい動きにくくなるとうつ伏せになっても背中が丸まったままの「伸びない猫背」になってしまいます。伸びない猫背になる原因は主に二通りあります。
- 靭帯の柔軟性の低下
- 背骨を支えている「前縦靭帯」と「後縦靭帯」と呼ばれる靭帯があります。
字の通り背骨の前と後ろに走っているのですが、この靭帯の柔軟性が低下することにより、関節の可動域が狭くなり、猫背につながるのです。
- 椎間板の機能低下
- 背骨の間にある椎間板の働きが低下する事により、背骨の柔軟性が阻害されて猫背になります。高齢者の背中や腰が曲がる原因の一つでもあります。
椎間板は軟骨ですので、グルコサミンやコンドロイチンなどを摂取すると機能維持に効果があります。
なお、伸びない猫背の方が状態は深刻に思えるかも知れませんが、実は伸びる猫背の方が背中の丸まり具合は酷く、また更に悪化しやすいので、「自分は伸びる猫背だ」と思っても安心は禁物です。
ついついやってませんか?猫背になる「姿勢の癖」
良くないとは分かっていても無意識に悪い姿勢になっている事、ありませんか?
- 背中を丸める
- 椅子に浅く座る
- 足を組む
- 頬杖をつく
- 前屈みになる
これらの姿勢の癖は言うまでもなく猫背の原因になります。また、身体のバランスが悪くなる次のような癖にも気をつけましょう。
- 片足に重心をかけて立つ
- いつも同じ方の手でカバンを持つ
- 横向きで、いつも同じ方を向いて寝る
- 横座りをする
骨盤が歪む原因となり、猫背に繋がります。姿勢に限らず癖になっている事を止めるのは簡単ではありませんが、なるべく意識して行わないように心がけたいものです。
やめられなくても気をつけたい、日常生活の行動
仕事や日常の活動などで、猫背になりやすい状況があります。こういった習慣も猫背の原因となります。流石にやめる訳にはいかないかも知れませんが、なるべく姿勢に気をつけるよう心がけましょう。
- デスクワークの姿勢
- 書きものをしたり下を向いて行う作業は首猫背になりやすいです。ノートパソコンはデスクトップ型PCと比べて視線が下に行きやすいので同じく首猫背には気をつけましょう。
また、両腕を前に出す体勢が多くなるので、巻き肩にも注意しましょう。30分以上同じ体勢で居ると筋肉は固まりやすくなります。30分~1時間に1回は腕を回す等の軽いストレッチを行いましょう。椅子の座り方にも気をつけたいもの。背筋はまっすぐ、座面に深く腰掛けましょう。骨盤が座面に対し垂直になるようなイメージで。
- 重作業やスポーツ
- 重い荷物を持つ時はどうしても前かがみになりがちです。背中が曲がり頭部が前に出やすくなります。
しかし無理に背中を伸ばして行うと腰を痛めてしまいますので、作業をしていない時に同じ体勢が癖にならないように気をつけましょう。
テニスなど、スポーツでも前かがみの姿勢になる事があります。また重いヘルメットを被った時も頭が前に出やすくなるので注意が必要です。
- スマホを見る時
- スマホを見ている時は下を向きがちです。肩よりも頭が前に出る為ストレートネック(首猫背)になりやすいので、なるべくスマホの位置を上に持ってきて、目線を上げて見るようにしましょう。
- 枕の高さに注意
- 体に合わない高過ぎる枕、使っていませんか?高い枕は仰向けに寝た時、常に顎を引いた状態になります。
これもやはり首猫背の原因になりますので、枕は適切な高さのものを選びましょう。
目安としては、仰向けに寝た時に目線が真上よりやや下を向いている状態が理想的です。
- 車の運転
- 車を運転している時は腕を前に伸ばしてハンドルを握り、足もアクセルとブレーキに向かって伸ばした状態です。
この為巻き肩になりやすく、骨盤が後ろに傾きます。安全運転が第一ですので、運転していない時に癖になってしまわないよう気をつけましょう。
自分の猫背の原因を知り、姿勢改善に役立てましょう
猫背の原因は人により異なります。心当たりのあるものは見つかりましたか?「コレが原因だ!」と分かれば、改善の方法も見えてきます。
猫背を直すのは大変ですが、見た目の雰囲気だけでなく健康の為にも正しい姿勢を身に付けたいものです。「意識すること」を続ければ必ず姿勢は改善しますので、諦めずに頑張って下さいね。
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