タバタ式トレーニングとは?短時間で効率よく体を鍛えるダイエット

タバタ式トレーニング、あるいはタバタ・プロトコルとは、もともと日本で生まれたスポーツ選手向けのトレーニング方法です。

立命館大学教授の田端泉氏が、スピードスケートのトレーニング法として開発し、長野オリンピック金メダリストの清水宏保さんも実践していました。

ですが、短時間で高強度の運動が出来るということから海外で大きな話題になり、ダイエットをしたい世代にも注目されています。

日本ではまだ認知度が低いタバタ式トレーニングですが、どのように実践していくのでしょうか。具体的な理論と運動方法を紹介します。

運動と休憩を繰り返すタバタ式トレーニング

タバタ式トレーニングのやり方はとても簡単です。それは、20秒間の運動と10秒間の休憩を8セット繰り返すというもの。

このとき運動は出来るだけ強度の強いものを選びます。ですが、初心者の方は体を痛めないように軽めの運動からでも大丈夫です。

タバタ式トレーニングは、合計240秒(4分間)の運動になります。4分というとかなり短い運動に感じますね。ウォーキングを1時間行うのと比較するととても簡単です。

この4分間の運動を、週に2~3回程度行うだけでいいので、運動不足や運動が苦手な人、ダイエットが長続きしない人におすすめです。

また運動方法によっては仕事の休憩中に行っても支障はありません。ジムに通ったりする時間が無くても手軽に出来る効率の良い運動方法なのです。

タバタ式トレーニングで得られるダイエット効果

ですが、たった4分間の運動でどうして高い運動効果が得られるのでしょうか。しかも休憩を挟みながら行っていいのです。

それは脂肪の燃え方にあります。タバタ式トレーニングは基本的に筋力トレーニングを行いますが、そこには脂肪が燃えやすくなる仕組みがあるのです。

脂肪燃焼を高める「アフターバーン効果」

実は、タバタ式トレーニングの脂肪燃焼率は、ウォーキングなどの有酸素運動とくらべてそれほど高くありません。

しかしこれは運動中の脂肪燃焼率を比較したものです。タバタ式トレーニングの本当の意味は運動の後にあるのです。

高強度の運動を続けた後、人の体は酸素を失っているのでそれを取り戻そうと呼吸が深くなります。

そして多くの酸素を吸収すると、体は疲労から回復していくです。このとき多くのエネルギーが使われます。

この働きを「運動後過剰酸素摂取量」通称アフターバーン効果と呼んでいます。タバタ式トレーニングはこのアフターバーン効果が非常に高いのです。

有酸素運動は運動を止めてしまうと脂肪の燃焼が止まります。反対に無酸素運動である筋力トレーニングは、運動を止めた後にも脂肪が燃焼され続けるのです。

そのため、短時間でも高い運動効果を得ることができ、効率よくダイエットに繋げることが出来るのです。

筋肉量を増やして代謝を上げる

タバタ式トレーニングでは、短時間で強度の高い運動が求められるので、筋力トレーニングが中心です。

そのため体の中の筋肉の量を増やすことが出来るのです。筋肉量が多くなると様々なメリットがあります。

  • 血行が良くなり代謝が上がる
  • 筋肉が骨に刺激を与えて骨の再生を促す
  • 筋肉がポンプ役になり血管が詰まりにくくなるので生活習慣病予防になる

特に代謝を上げることはダイエットをする上で欠かせないポイントです。代謝が高いと運動をしていないときでも消費されるカロリーが多くなるからです。

また、筋肉の量は加齢とともに減っていきます。40代、50代の方ほど筋トレをしたほうがいいのです。

その点タバタ式は短時間で済む運動なので、中高年の方でも取り組みやすいところが長所といえます。

タバタ式トレーニングおすすめメニュー

では、実際にタバタ式トレーニングを行う場合に、どのような運動をすればいいのでしょうか。

基本は強度の高いものなら種類を問いません。腹筋、背筋、腕立て伏せなど、8セット全部違う運動を行うと全身を鍛えられるのでいいですね。

ですが、タバタ式はプロのアスリートでも行う運動方法です。そのため本気を出してやるととてもハードで長続きしません。

初めて実践する方でも簡単に出来る方法からやっていきましょう。慣れてきたら徐々に運動強度を上げていくといいですよ。

大きな筋肉を使うことで運動量を増やすスクワット

人体の筋肉は、その多くが下半身に集まっています。足は運動の要であったり、体を支えているものなので、筋肉が大きく量も多いのですね。

そこで、下半身を鍛えることによってエネルギー消費量を多くすることが出来るのです。簡単に出来るものとして、スクワットがあります。

スクワットのやり方
  1. 足を肩幅に開いて頭の後ろで手を組む
  2. 椅子に腰掛けるイメージでお尻を突き出し腰を落とす
  3. このとき膝はつま先から出ず、腿は床に平行に
  4. この状態から元の姿勢に戻る

(スクワット写真)

膝を悪くしている人は、初めて取り組むという人は、腰をあまり落とさないハーフスクワットという方法を試してみてください。

全身の筋肉を効率よく鍛えるマウンテンクライマー

スクワットも運動量が多いですが、使うのは下半身だけになります。これに対して、お腹や腕、背中も一度に鍛える方法があります。

マウンテンクライマーという筋トレです。こちらはなかなか運動強度が高く、タバタトレーニングに向いているといえますね。

マウンテンクライマーのやり方
  1. 両手を床について背筋をまっすぐ伸ばし、足は爪先立ちで腕立て伏せの姿勢になる
  2. お尻を上げたり背中が反らないように注意する
  3. この状態から膝を胸に引き寄せる左右を交互に繰り返す

マウンテンクライマー写真

下半身を鍛えられる筋トレですが、足を引き寄せるときに腹筋も使い、また体を支えるために背筋や腕の筋肉も鍛えられます。

そのためなかなかハードです。マウンテンクライマーを実践する場合は、最初はゆっくり行ったり、8セットではなく4セットに減らすなど調整してください。

上級者向けのトレーニングジャンピングスクワット

運動に慣れてきたら、さらに強いトレーニングにチャレンジしてみましょう。もちろん、その他の運動と交互に行ってもかまいません。

気をつけるのは、自分の体力に合わせて全力を出すということです。自信が無い人は80パーセントくらいを意識してみましょう。

ジャンピングスクワットのやり方
  1. 両足を肩幅より少し広く開き、両手を前に出す(最初の姿勢)
  2. スクワットと同じ要領で腰を落とし膝を曲げる
  3. 立ち上がるときつま先でジャンプ
  4. 最初の姿勢に戻る

ジャンピングスクワット写真

この運動はかなり息が上がります。その分呼吸の量も増えて脂肪燃焼効果も高いトレーニングが出来ます。

スクワットで物足りなくなった方は、ジャンピングスクワットにトライしてみるといいですね。でも辛ければ無理はしないようにしてください。

慣れてきたからといって無理は禁物!タバタ式トレーニングの注意点

タバタ式トレーニングを行う場合は1回8セット4分、週3回程度を守ってください。それ以上行うと体に掛かる負荷が大きくなりすぎます。

ダイエットは無理をすればそれだけ効果が出るというわけではありません。やみくもに頑張ってすぐ挫折してしまっては意味が無いのです。

それよりも、無理のない強度で長く続けたほうが体に負担が掛かりません。また、自分にあったペースを維持することでストレスも緩和できるのです。

無茶をすると筋を痛めるなど怪我をしてしまう危険性もあります。それはもともと運動強度を高めることを目的としたトレーニングだからです。

初心者の方や運動不足の方は、最初から飛ばして運動せずに、じっくり自分の体力と向き合って行いましょう。

短時間で高強度!全身を鍛えて効率よくダイエット

タバタ式トレーニングはもともとダイエットメソッドではありません。ですが、短時間で済むことから、気軽に取り組めるとダイエッターに人気を呼びました。

そのため今ではダイエットの手段として広まりつつあります。筋力トレーニングを中心に行うことで、代謝が上がりやせやすくなるからです。

ですが、無理は禁物です。怪我をせず長続きさせるためにも、自分に合った筋トレ方法を探してください。

長く続けるほど脂肪燃焼効果を得られるので、ぽっこりしたお腹やたぷたぷの二の腕から卒業できますよ。

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