目の下のクマ解消に漢方を取り入れたい!種類・方法・効果について

漢方薬で目の下のクマをどうにかしようとしている女性

目の周りや目の下に出来るクマには様々な原因がありますが、場合によっては東洋医学に基づいた漢方薬が効果的です。

では、実際に漢方はどのようなクマに効果があり、どのようにしてスタートすればよいのでしょうか。

漢方におけるクマの考え方とともに、クマに効果がある漢方の種類と漢方の始め方、注意点についてご紹介します。

漢方におけるクマは「瘀血(おけつ)」の状態…特に青クマに効果的

東洋医学に基づく漢方の基本的な考え方として、人間の身体は「気」「血」「水」の3つがお互いに影響し合い、バランスをとることで構成されていると考えられています。

しかし、この3つのバランスは崩れてしまうと心身に不調が出てきて、様々な症状が出てきます。

クマの症状が出てくるのは、バランスが取れなくなった症状の中でも、「瘀血(おけつ)」が原因と考えられています。

瘀血(おけつ)
冷え、ストレス、過労などによって血の巡りが悪くなった状態

それに加えて、五臓六腑の中の肝臓機能(東洋医学では「肝」)が低下していると、古い血を綺麗に出来にくくなり、老廃物も溜まりやすくなるために新陳代謝に影響が出て、クマの原因を誘発するとも考えられます。

漢方薬を用いたクマの治療では、特に「瘀血(おけつ)」を改善する漢方薬を用いることで血流を改善し、皮膚の新陳代謝を活性化して、体の内側から肌を健康にしていくことを目指します。

クマ専門の漢方薬ではなくあくまで「瘀血(おけつ)」の症状を改善していくものですので、他に冷え性や便秘、肩こり、生理痛など不快な症状が出ている場合は同時の改善も見込めます。

血行不良を主に治療する漢方ですので、クマの中でも特に青クマに効果的だと考えられますが、体調改善に伴い黒クマや茶クマなどほかのクマにも影響が出る可能性はあります。

クマに効果があるとされている漢方薬

漢方薬は生薬由来の成分であるとはいえ医薬品ですので、専門医による処方が望ましく、女性それぞれのクマの状態や悩み、生活習慣などを問診してから処方されます。

しかし、薬局やドラッグストアなどで手軽に漢方を手に入れることも出来るようになりつつありますので、ここでは代表的な漢方薬についてご紹介します。

服薬の際には、次の項目で紹介する注意事項をしっかりと守るようにしてください。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

「瘀血(おけつ)」改善の際に処方される代表的な漢方薬です。

目の下のクマだけでなく、血行不良によって下腹部に痛みが出やすい人、手足に冷え性がある人、生理不順など女性特有の症状がある人などに効果があるとされています。

また、毛細血管での微小循環改善作用もあります。

牡丹皮(ぼたんぴ)という生薬を配合しているので少し冷たい性質もありますが、同時に桂皮(けいひ)という身体を温める性質のものも配合されています。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

比較的体力のない人、貧血、むくみのある人に向いている、血虚水滞を治療する漢方薬です。

鉄欠乏性貧血の人に鉄剤と併用して処方されたり、産婦人科では月経の不順や更年期障害の治療のために処方されることもあります。

この漢方に含まれている当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)という生薬は、体を温める性質を持つので血流改善に効果的ですし、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)などの生薬は、体内の余った水分をコントロールする性質を持っているので、顔のむくみにも効果があるとされています。

加味帰脾湯(かみきひとう)

体力があまりなく、顔色が悪く貧血傾向の人、精神的に不安定な状態や夜に眠れないなどの症状があり、全身に倦怠感を伴う場合に使用される漢方薬です。

胃腸の働きを改善する四君子湯(しくんしとう)をベースとし、帰脾湯(きひとう)、柴胡(さいこ)、山梔子(さんしし)、牡丹皮といった生薬を加えたものです。

血行不良だけでなく精神の緊張を和らげたり、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

古い血を溜め込まないように働きかけ、血を綺麗にする作用があり、血流改善を促します。

血行不良による青クマだけでなく、肩こり、便秘、腰痛、頭痛、月経痛などにも効果があります。

漢方を利用する際の注意点

漢方は自然の生薬由来ですので比較的副作用が少ないものですが、個人の体質は様々ですので、体質に合う合わないが出てきます。

また、一朝一夕で効果が出るものではなく、長く服用をしていく中で徐々に効果を発揮していくものですので、自分自身に合った薬をなるべく慎重に選ぶようにしましょう。

ここでは漢方を始める際の注意点をご紹介します。

漢方の専門医に相談して処方してもらう

漢方薬は個人の体調や全体調和を大切にして処方されるものですので、信頼できる漢方医にクマや他の身体の悩みについてきちんと説明し、合う漢方薬を選んでいただくことが重要です。

一度飲み始めると効果が出るまで比較的長い期間付き合っていくお薬ですので、副作用を最小限に抑えるためにも、必ず専門医に相談するようにしましょう。

妊娠中の人、他の薬を服用している人などは要相談

漢方は自然の生薬ですので副作用は比較的少ないと言われていますが、個人の体質によってはいくつかの副作用が出ることがあります。

副作用の種類は漢方によって様々ですので、処方して頂く際に必ず医師に確認をするようにしましょう。

また、妊娠中の方、他の薬を服用中の方、サプリメントなどを利用している方、アレルギーのある方は必ず申し出るようにしましょう。

場合によっては飲み合わせなどの問題で服用できない漢方があったり、一度の摂取量に中が必要な場合があります。

保険適用かどうかチェック

漢方薬は現在約150種類に保険が適応されるので、医師に処方箋をもらって薬を購入すれば保険適用を受ける事が出来ます。

しかし、漢方薬を処方してくれる医師が漢方医以外にはごく限られていますので、漢方医による処方の際はもちろんですが、一般的な診療科で漢方を希望する際にも必ず保険適用かどうかを確認しましょう。

ただし、美容専門の診療科(美容皮膚科、美容形成外科など)では、治療ではないために全ての治療が保険適用外となっていることもあります。

例えば、クマの治療を扱っている皮膚科はたくさんありますが、漢方を処方してくれるかどうかはその病院の方針に大きく依存します。

もし漢方を漢方医以外の所で処方してもらいたいのであれば、事前に漢方を処方してもらえるかどうか、 どのような漢方薬が取り扱われているか問い合わせると安心です。

漢方の力でクマや体調不良を改善!

アンチエイジングの一環、老け顔対策としてクマ対策をしている方が多いですが、クマ以外にも体調不良が現れていたりする場合は、漢方での治療も選択肢に入れることをお勧めします。

東洋医学で言う「瘀血(おけつ)」なのであれば、ご自身の体調や体質に合った漢方薬を取り入れることで、クマとして表面化していた体内の問題を改善していくことが出来るかもしれません。

クマの改善と体調不良の改善によって、見た目の若々しさを取り入れることも期待できます。

ただし、漢方薬による治療では悩みを一朝一夕に解決することはできませんので、長い目で「継続は力なり」をモットーに過ごしていきましょう。

目元のクマとさよならするために、根気よく生活習慣に気をつけながら漢方を取り入れた生活を送ってみてください。

クマ対策には有効な食べ物もあるので、そちらもチェックしてみてくださいね。

クマの予防についても知っておきましょう。

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