歯の噛み合わせは加齢によって変わる?思わぬ不調の原因にも

上あごの歯と下あごの歯の接触関係のことを、咬合といいます。噛み合わせのことですね。歯の噛み合わせは年齢によって徐々に変わっていきます。

噛み合わせが悪くなっていくと、体に様々な不調が起こってきます。食べ物を食べづらくなるだけではありません。

なぜ年齢を重ねることで噛み合わせに変化が出てくるのでしょうか。それを防ぐためにはどのような対処が可能なのでしょうか。

加齢で噛み合わせが変化していく理由

歯と歯は正常は位置関係で接触していることが理想的です。ですが、成人の噛み合わせは時間の経過とともに徐々におかしくなっています。

それは、長年の咀嚼によって歯が少しずつ磨り減って行くことにもよりますが、他にもいろいろな原因があります。

中でも顕著なものが、顔の老化です。あごの骨は上下左右に動く複雑な機構を持っています。

その運動は、多くの筋肉で下あごの骨が頭蓋骨と繋がっていることで可能になるのですが、老化とともに筋力が衰えていくと、あごの骨が正常に動かせなくなります。

そのため、徐々に上下のあごの骨の位置がずれていき、噛み合わせが悪くなってしまうのです。

歯茎の老化や虫歯によっても噛み合わせは変化します

筋力の老化によってあごの骨の動きは悪くなりますが、それ以外にも噛み合わせが悪くなる原因はあります。

1つ1つに対処していかないと、歯だけではなく全身に影響が出てきます。歯の噛み合わせはアンチエイジングとも関わってくる問題です。

年齢によって歯茎が弱っていく

顔の年齢化は筋肉だけに起こるのではありません。普段歯を支えている歯茎も年齢にを重ねることで衰えていきます。

具他的には、歯茎が薄くなったり下がったりします。すると歯根部分が露出しやすくなってしまいます。放っておくと歯が抜けてしまうこともあるのです。

歯が抜けると、歯並びが変わって行ってしまうので噛み合わせにも影響します。歯茎の年齢化は防ぐのが難しく、歳を取ると歯並びが変わるリスクは避けられません。

歯周病や虫歯によっても歯並びは変わります

成人以降は、唾液の分泌が減っていくことからも虫歯になりやすくなります。さらに、歯茎の年齢化によっても歯周病の危険性は高まります。

歯周病になると歯根部分が侵食されて弱っていきます。ひどくなると歯を抜かなくてはいけないので、同じく歯並びが悪くなる可能性があるのです。

このように虫歯や歯周病も噛み合わせの変化と関わっています。予防のため定期的に歯科医を利用することが重要です。

歯ぎしりのくせによっても噛み合わせは変わります

歯と歯と左右に動かしてしまうことを歯ぎしりといいます。歯ぎしりは一部の人の癖ではなく、だれもが行っているものです。

無意識のうちに上の歯と下の歯をかみ締めていたり、弱い力でも左右にこすり合わせてしまっていたり、夜間寝ている間に行っていることもあります。

歯ぎしりが続くと、顔の筋肉が刺激されて急な収縮が起こり、結果としてあごを上手く動かせなくなるので、歯並びが悪くなっていきます。

このように、複数の理由から歯並びが変わってしまい、結果として歯と歯の咬合も悪くなるのです。

噛み合わせが悪くなることで起こる不調

歯と歯の噛み合わせが悪くなることによって、まず歯の痛みや頭痛などが起こりますが、表情筋の老化によって見た目が老けてしまうということもあります。

あごの骨がずれてくると、そこから体全体の骨のバランスがずれていきます。首の骨がずれ、胸椎がずれ、続いて腰や股間の骨がずれていきます。

骨がずれることによって、体を走っている神経のバランスも崩れていきます。そして、自律神経失調に陥ったり、数々の不調が起こります。

噛み合わせは全身の骨格に影響を与えます。正常を保っていないと、体の老化を進ませることにつながるので30代以降は要注意ですね。

噛み合わせの不調を防ぐ舌の体操

放っておくとどんどん悪くなってしまう噛み合わせ。ひどくなる前に歯科矯正するという方法もありますが、自宅でも簡単に予防できる方法があります。

それは、口の中で舌を回すだけの簡単な体操です。1回に50回×左右で1セットです。毎日に習慣にすると、顔全体の筋肉を鍛えることができます。

ベロ回し体操のやり方です

  1. 口を閉じて舌で歯の外側となぞります。
  2. 左回りに50回、次に右回りに5回続けます。

頭部にある筋肉はとても種類が多いのですが、この簡単な運動によってその内の多くの筋肉を刺激します。

これはやってみるとなかなか疲れるので、ゆっくり回数をこなしていくといいでしょう。筋肉を使っているという実感がわきます。

そして顔の筋肉が鍛えられることによって、顔全体のたるみが予防されるので、見た目の老化を防ぐことに繋がります。

放っておくとどんどんわるくなる噛み合わせ。自宅で予防も

年齢によって歯茎や顔の筋肉が弱っていくことにより、歯の噛み合わせは徐々に悪くなっていきます。

さらに30歳以降の人は虫歯や歯周病にかかるリスクも高くなるので、歯が抜けてしまうことにもつながり、さらに歯の噛み合わせが悪くなってしまいます。

噛み合わせが悪くなると、さまざまな不調が起こってしまいます。進行すると体全体の骨が歪んでしまうかもしれない危険な状態なのです。

そうなことを防ぐためにも、歯医者さんに行って歯の状態を確認したり、表情筋を鍛える体操をしたり、普段からよく噛んで食べるなど口周辺の筋肉が衰えないように意識しておきましょう。

もし顔が歪んできていたら・・・それも噛みあわせが原因かもしれませんよ!

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