噛み合わせは年齢とともに変わる!全身への影響と治療法
歯と歯の噛み合わせは、健康な食生活を保ち、また充実した毎日を送るためにも、正常な状態を維持しなくてはいけないものです。
ですが、どんな人でも年齢を重ねるのと同時に噛み合わせが悪くなるリスクを抱えています。
噛み合わせの悪化は何故起こるのでしょうか。歯から体全体の健康を守るために、どんなことに注意すべきか解説します。
Contents
加齢によって噛み合わせは悪くなっていきます
実は、噛み合わせの変化はある程度仕方のないことだと言われています。それは成人後も歯並びは変化し続けるからです。
その結果、噛み合わせも悪くなるリスクを抱えます。何故歯並びが変化してしまうのか、その要因を見ていきましょう。
年をとると歯茎は弱っていきます
歯と歯茎はしっかりとした組織なので、虫歯さえ気をつけていれば大きなトラブルはないものだと思われがちです。
ですが、実際には年齢を重ねることで歯茎は衰えていきます。歯肉が下がる原因はいろいろと考えられていますが、代表的なものが歯周病です。
歯周病は長い時間をかけて進行していくものなので、重症化に気付くのが40~50代ごろになります。
このことから、歯の位置がそれまでとは変化して、うまく噛み合っていた上下の歯のバランスが崩れてしまいます。
歯周病予防をしていくことを始めるためにはこちらの記事もチェック!
自然な移動を続けている歯
歯周病によるものだけではなくても、歯は年齢を重ねることで少しずつ移動をしていきます。全体的に奥から前のほうへと動いているようですね。
特に前歯は下の歯が上の歯を押し出すようにして咬合しているので、年々上の歯のほうが前に押し出されるような仕組みになっています。
このままの状態を放っておくと、上の前歯が前突していわゆる出っ歯の状態になってしまいます。
出っ歯になると口を閉じにくくなったりして、ドライマウスになってしまう原因にもなります。そのため虫歯を招きやすくなり、注意が必要です。
歯並びをセルフケアで
噛み合わせが悪くなることで歯全体に影響が
歯の位置がずれることによって上下の噛み合わせが悪くなっていきます。それに伴って歯や歯茎には様々な影響が出てくるのです。
噛み合わせの悪化によって起こりうるトラブルについて見て行きましょう。早めの対処をしないと治療に時間がかかることもあるかもしれません。
歯磨きの効率が悪くなり、口腔の年齢化が進む
上下の歯の位置関係がアンバランスになっていると、出っ張ったり引っ込んだりする歯が出てくるので歯ブラシが届きにくいところが出来てきます。
そうすると、しっかり歯磨きをしているつもりになっても磨き残しが多くなります。磨き残しは歯垢となり、雑菌が繁殖する温床になってしまいます。
口の中には虫歯の原因になるミュータンス菌や、歯周病の原因になる歯周病菌が多く含まれますが、それらが異常増殖すると歯の年齢化が進むのです。
つまり、噛む力が弱くなって、硬いものが食べられなくなり、余計にかみ合わせが悪くなっていってやがては入れ歯をつかわなくてはならなくなるのです。
噛み合わせの変化によって虫歯の再治療の必要も
若いころに虫歯の治療をして詰め物や被せ物をしている方も多いでしょう。歯の位置が変化することによってこうした治療痕も影響を受けます。
詰め物はセラミックや合金が使われますが、噛み合わせの変化によって今まで安全だった場所に余計な力が加わることもあるのです。
そのため、直したはずの歯が磨り減ってしまったり被せ物に傷がついてしまいます。そこから細菌が進入すると、更なる虫歯を招きます。
虫歯を防ぐためにできることを確認しておきましょう。
噛み合わせが原因で婦人科的な症状がでることも!
一見何の関係もなさそうですが、噛み合わせの変化を見過ごしていると婦人科的な身体トラブルが起こることもあります。
それは、顎に余計な力がかかるために首の骨まで影響されてしまい、そこを通っている神経の働きが阻害されるからです。
神経が正常に働かなくなると様々な不具合が起きます。
- 自律神経が圧迫される
- 呼吸や脈拍が落ち着かなくなる
- 不眠
- 不定愁訴が多くなる
歯の噛み合わせが変わることによる不調についてはこちらに詳しく載っています。
特に生理のトラブルは婦人科に行っても原因がよく分からないことがあります。その場合、噛み合せが隠れた原因になっているのかもしれませんよ。
更年期にイライラすることについてはこちらの記事も参考になりますよ。
40代の女性の悩みに対してどうアプローチしていけばいいのかについてはこちらをチェックしてみてくださいね。
噛み合わせを悪化させないためにも定期健診が必要
歯の噛み合わせが変化し続けるといっても、目に見えるほど状態が変わるのは10年単位という長い時間を要します。
それだけの間自分で状況を把握しているのは無理ですよね。そこで、歯科検診を定期的に受けて現状をチェックする習慣を付けましょう。
特に、一度治療した虫歯がある場合は、1年に1度は必ず歯科医師の診断を受けることが重要になります。
治療した場所が正常であるのを確認するとともに、他の歯のずれから影響を受けていないか確かめるためです。
悪くなった噛み合わせは矯正歯科で治療
気がつかないうちに悪くなってしまった歯の噛み合わせは、矯正歯科で治療してもらうことが必要になります。
口だけでなく体全体のトラブルを解消するためにも、歯を正しい位置に戻してそれぞれにかかる圧を正常にすることは重要です。
噛み合わせ治療の手順と費用
まず、口や体調に何らかのアクシデントが起こっている場合、それが噛み合わせを原因とするのもなのかを診断します。
ここでは歯のレントゲン写真を撮るなどして、全体のバランスがどう狂っているのかを調べます。
その上で噛み合わせの悪化が確認できれば、そに人に合った治療計画を立てていきます。方法の種類です。
- マウスピースを装着する
- 仮歯を付ける
- マッサージを行う
これら顎から歯茎にかけての筋肉のバランスを正常に保つための処置になります。マウスピースは付けたまま食事なども行います。
このほかの矯正装置や金属歯の撤去を行う場合もあってそれぞれです。そのため料金も人によって大きく変わります。
マウスピース治療でも5000円~20000円と幅が広く、検査費用もかかってくるとさらに高額になるので、事前準備が重要です。
噛み合わせが悪いと顔も歪んできます。歯科矯正でも改善できると言われています。
家庭でも出来るかみ合わせケアの方法
一度悪くなってしまった歯並びを自力で直すことはかなり難しく、また危険な行為でもあります。
そこで噛み合わせが今以上に悪くならないように、毎日の生活の中で出来るセルフケアの方法を紹介します。
悪い癖を直すことが第一!
歯並びが悪くなっていくのには、無意識のうちに行っている癖や悪い習慣が大きく関わっています。
一例です
- 頬杖をつく
- 柔らかいものばかり食べている
- 食べる時にあまり噛まない
- 片方の奥歯だけで噛んでいる
- 爪を噛む
- 口呼吸している
- うつぶせ寝をしている
このような習慣は少しずつ歯に圧力をかけていて、歯茎の中で歯根がずれていく原因になります。
そこで、綺麗な歯並びを維持するためにも、上に当てはまることがあれば今すぐ改めるようにしましょう。
食事や睡眠中の噛み方や歯軋りなど、気になることがあったら言ってもらえるように頼んでみるといいですね。
噛み合わせの悪化は体に深刻な影響を与えます
歯の噛み合わせと体の調子は互いに影響を与え合っています。特に頭部の神経や筋肉との関係は重要です。
加齢とともに噛み合わせが悪くなってしまうことには、ある程度仕方ありません。ですが放っておくこともよくありません。
体への悪影響を防ぐためにも定期的に歯科医を受診して、虫歯や親知らずの有無をチェックしたりすることが、噛み合わせの維持にも大切なことです。
元気に年を重ねて行きたいですよね。噛みあわせが悪くて体調不良になるのは避けたいところです。こちらの記事で再度確認しておきましょう。
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