イライラの原因は更年期?ホルモンや生活の乱れを解消して

月経が終わる前後の10年間のことを、更年期といいます。多くの女性が40代の後半から50代の前半にかけて経験します。

更年期の症状は様々ですが、中でも気になるのが心の不調ではないでしょうか。わけもなくイライラしたり家族に当たったりしてしまうのは、更年期では良くあることです。

気持ちが落ち着かないまま毎日過ごすのは辛いですね。何故更年期になるとイライラが募るのか、そしてどうやって解消すればいいのか解説します。

「幸せホルモン」が減少してしまう更年期

脳の神経伝達物質の1種であるセロトニンは、幸せホルモンとも呼ばれており、神経を興奮させるホルモンであるノルアドレナリンの働きを抑える作用があります。

セロトニンが正常に働いている間は、自律神経も問題なく働いています。さらに、爽快感を得られるドーパミンの分泌も促すのです。

そのため、脳が不安や緊張を感じると人はセロトニンを多く出してバランスをとろうとします。ですが、更年期に入るとセロトニンの分泌が不安定になってしまうのです。

女性ホルモンの減少がセロトニンに影響します

卵巣から分泌される女性ホルモン、エストロゲンとプロゲステロンは、普段の生理のタイミングや妊娠、出産を司っています。

ですが、更年期に入ると、この2つのホルモンがうまく分泌されなくなっていき、量が激減します。

エストロゲンとプロゲステロンは、セロトニンの原材料にもなります。そのため、女性ホルモンの量が減ってしまうとセロトニンの量も減ります。

そのため、興奮したときに気持ちを落ち着けることができなくなり、今までは動じなかったことに対しても急にイライラを感じてしまうのです。

いつからイライラしだす?月経のタイミングがずれ始める頃から

なんとなく日常にイライラし始めたなと思ったら、月経のタイミングを確認してみてください。毎月始めと終わりをカレンダーに記入すると分かりやすいですね。

更年期が始まるのは、卵巣の機能が弱って通常の月経が来づらくなってからです。女性ホルモンは卵巣から分泌されるものです。

そのため、卵巣自体が不調になるとホルモンの量も減少します。生理不順が始まるのは、閉経の約5年前からです。(一般に更年期とは、閉経の前後5年、合わせて10年の間)

年齢にすると、45歳~55歳くらいがこれにあたります。これは平均なので、若干のずれはあると思いますが、イライラが始まる時期は『月経が乱れ始めているころ』だとまずは覚えておきましょう。

更年期のイライラ、ライフイベント的な側面

イライラする原因はホルモンのバランスの変化が主な理由ですが、それ以外にも大きなライフイベントを経験するからという側面があります。

40~50代で女性が経験しやすいライフイベントです。

  • 子の進学、就職、結婚
  • 親の介護、見取り
  • 職場の異動

これに加えて、近年では40代の初婚も増えていますので、結婚して新しい家族ができるという方もあるでしょう。

こうした環境の変化は精神の大きな負担を与えます。職場の部署異動や親の介護は肉体的にもかなり大変なことです。

加えて体力もそれまでに比べて格段に衰え始めます。このように、40代以降というのは精神的にも肉体的にも圧迫されやすい年代なのです。

そのため神経が非常に過敏になっています。ですので、ほんの些細なことでも急に精神が不安定になって、イライラを感じてしまうのです。

幸せホルモンを増やしてイライラを解消

セロトニンの減少が理由でイライラが起こっている場合には、分泌量を正常化することで不安定な気持ちを解消することができます。

セロトニンを増やすには、投薬治療などを受ける方法もありますが、ここでは家庭でも実践できる手段を紹介します。

原料であるトリプトファンを取る

セロトニンを作るのに欠かせないのは、必須アミノ酸のトリプトファンです。トリプトファンは体の中で生成することができません。そこで食べ物から摂取する必要があります。

トリプトファンを多く含む食べ物です

  • 玉子
  • 納豆
  • 豆腐
  • 豆乳
  • 牛乳
  • 蜂蜜
  • バナナ
  • 玄米

この他ささみやひれ肉など脂質の少ない肉や魚にも多く含まれています。中でも簡単に取れるおすすめレシピです。

豆乳バナナスムージー
材料 バナナ1本(大きなものなら半分) 豆乳200cc 蜂蜜小匙1

  1. バナナは一口大に切る
  2. 材料をすべてミキサーに掛けよく混ぜる

これを朝食や間食の代わりに飲むことで、効率よくトリプトファンを取ることとができます。

動物性タンパク質に含まれているトリプトファンは、BCAAという成分に阻害されてうまく吸収できません。そこで、大豆など植物性の材料が適しているのです。

アロマを活用してイライラを解消

植物の成分を利用したアロマテラピーも、神経の緊張をほぐしてイライラを解消する効果を期待できます。

中でも更年期のイライラにおすすめなのが、ラベンダーとカモミールです。この2つは心に利くアロマとして注目されています。

アロマテラピーは、エッセンシャルオイルを用いて香りを日常に取り入れる方法ですが、ラベンダーやカモミールはハーブティーとしても売られています。

イライラしたときにちょっとお茶を一杯飲むと、気分がリセットされやすくさらに心を安定させる効果が高まるでしょう。

ハーブとしてのラベンダーは丈夫で栽培も簡単なので、自宅で育ててみるのもいいですね。毎日の水やりで心がリフレッシュするかもしれません。

規則正しい生活と運動を心がける

セロトニンは、規則正しい生活を繰り返していると正常に分泌されるようになります。それは自律神経が呼吸や心拍を操作するのと関わってきます。

毎朝決まった時間に布団からでて、朝日を浴びて、軽く運動をするという生活を習慣付けると、とても気分が良くなります。つまり、セロトニンの働きが正常化しているのです。

またテンポのいい動きで一定の呼吸を保つように心がけると、同じくセロトニンが安定してきます。おすすめの運動方法です。

  • ウォーキング
  • ヨガ
  • 自転車
  • 水泳、水中ウォーキング
有酸素運動がおすすめです。特にヨガは、腹式呼吸を用いて深い息をすることを目的としています。

呼吸が深く長くなると、神経の働きも穏やかになっていきます。運動量も少ないので、運動習慣のない人が始めるのには最適です。

市販のサプリメントも取り入れて

いろいろ試してみてもイライラを解消できない場合には、ドラッグストアなどで販売しているサプリメントを活用するのもいいですね。

更年期に対応するサプリメントや錠剤には、女性ホルモンの働きを補助するイソフラボンや、同様の天然成分が多く含まれています。

食事で取るのより効率がいいので、激しいイライラで気持ちが辛いという場合には、効き目が早くおすすめです。

年齢的に仕方のないイライラ。最適な方法で解消して

更年期とは、肉他的にも精神的にも大きな変化を迎える時期です。そのため、神経が過敏になり些細なことで不安定動きをするようになってしまいます。

イライラが原因で家族や知人との人間関係が悪くなってしまったという悩みを抱える人もあるようです。上手に解消していきましょう。

食事や運動、サプリメントなど様々な対処法があります。取り組みやすいものから試してみてください。

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