更年期は頭痛が起きやすい?ホルモンや精神面での理由と対処法

40代になったころから毎日頭痛が続いてなかなか直らない、こういう症状は更年期の始まりかもしれません。

女性は男性よりも頭痛にかかる人が多いという調査があります。そこには女性特有のホルモンが関連していると言われています。

そのため、ホルモンの量が変化する更年期に頭痛を訴える人が多いのです。40代以降の頭痛にはどのように対処したらいいのでしょうか。

セロトニンが減少することで頭痛が起こる

頭痛には片頭痛と緊張型頭痛の2種類がありますが、中でも更年期には片頭痛になる人の割合のほうが多いようです。

片頭痛
頭の片側が締め付けられるように痛み、光に敏感になったり吐き気を伴うなどの合併症状も見られる頭痛。日常生活で無理をすると悪化
緊張型頭痛
頭全体が痛むもので、普通に生活してても悪化することはない

片頭痛になるのは、脳の神経伝達物質であるセロトニンが関わっていると考えられています。

セロトニンは脳の血管の緊張や弛緩、痛みの制御を行っていますが、女性ホルモンであるエストロゲンが減少するとセロトニンも量が減ってしまいます。

そのため痛みに対して敏感になり、慢性的な片頭痛となって現れてしまうのです。この変化は閉経前の生理中にもよく起こるようです。

ストレスフルな更年期には頭痛が起こりやすい

さらに女性は男性に比べて日常生活で果たす役割が多いのが現状です。仕事、子育て、家事、介護など、これは社会問題とも言えますね。

このような日常を送っていることから、女性は日々強いストレスに晒されています。それがピークに達するのが更年期の時期です。

仕事が忙しくなったり、子どもの受験や就職が重なったり、夫婦関係の維持が難しくなるなど、困難なライフイベントが待っています。

こうしたトラブルに対処するために、体力も精神力も消耗するために、頭痛が起こりやすくなると考えられています。

一度婦人科を受診することも大切

自分の頭痛の原因が更年期によるものなのか、それが片頭痛なのか緊張型頭痛なのかは素人にはなかなか判断がつきませんよね。

そこで、長引く頭痛で悩んでいる方は、一度婦人科を受診して、血液検査をしてもらうことをおすすめします。

そこではホルモンの量の計測などをしてもらえるので、エストロゲンが減少を始めているのか、更年期が始まっているのかがわかります。

それによって薬の処方なども変わりますので、40代以降はかかりつけの婦人科を探しておくといいでしょう。

急な頭痛に対処するための方法

頭痛には市販の頭痛薬や鎮痛剤で対応しているという人もいるかもしれません。ですが市販の薬では個人個人の症状にマッチしないかもしれない不安があります。

また、体質的な問題から薬が使えない人もあることでしょう。その場合に、すぐに実行できる頭痛の対策方法を紹介します。

痛む場所を冷やす

片頭痛の場合は、脳の血管が急に膨張して周辺の組織を圧迫していることが痛みを発する原因とされています。

そこで、拡張した血管を落ち着かせるために、アイスノンなどを使って痛む場所を冷やしましょう。

そしてあまり動かずに安静にしておきます。偏頭痛は動くと悪化することもあるので、痛みが酷いときは無理をしないようにしましょう。

アルコールやカフェインをとらないようにする

アルコールもカフェインも興奮物質で、神経の働きを活発にさせます。そのため脈拍が速くなったり息苦しくなる人もいます。これも体質によって変わります。

頭痛が起こるのも一種の神経の緊張状態ですので、さらに緊張をあおるようなことをしてはいけません。

既にアルコールを飲んでしまっている場合は、経口補水液などを少しずつ飲むなどして体の中のアルコールが排出されやすいようにします。

また、アルコールやカフェインが原因の片頭痛が疑われる場合も、あまり動き回ると症状が重くなるので安静を心がけます。

ハーブティーやどくだみ茶はノンカフェインでおすすめですよ!

緊張性頭痛の場合は血流をよくする

頭全体ががんがんと痛む場合は、緊張性頭痛である可能性が高いので、偏頭痛とは逆に体を温めるようにします。

足元を冷やさないように靴下を履いたり、軽く運動するなどして血流を改善するようにしましょう。

ストレッチやウォーキングを5分ほどやるだけでも、肩や足などの大きな筋肉にたまった乳酸などの疲労物質を排出することができます。

そのため、首周りの緊張を取ることができリラックスに導かれるので、自然と頭痛の改善していきます。

漢方薬を試してみる

漢方は医師や薬剤師のいる医院や薬局で、自分に合った処方を考えてもらうことが一番ですが、手軽に市販されているものを利用する方法もあります。

漢方薬は化学薬品よりは効き目があわられるのに時間がかかります。その分、体質改善に効果があったり、副作用が少ないメリットもあります。

片頭痛におすすめ漢方 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
ずきずきする頭痛の解消のために処方される一般的な漢方薬です。体の中心である丹田を暖めることで冷えを取り除き、体の血の巡りを改善して頭痛を治します。

ツボしやマッサージを試してみる

頭痛の改善のためには、つぼ押しも効果的です。昔から行われている漢方治療には、頭痛に対処するツボも研究されています。

頭痛にきくツボです。

  • 百会 頭のてっぺんにあるツボです
  • 風池 耳後ろの出っぱりから少し下にある2箇所のくぼみ

このツボをいた過ぎない程度の力で1回につき3分間指圧します。手が届きにくい場合はツボ押し器を使ったり、家族に頼むのもいいですね。

また、頭のこめかみあたりにある側頭筋が緊張することによって偏頭痛が起こることもあるので、2本の指を使ってこめかみをゆっくりさすってマッサージしましょう。

安静にするときは枕の高さも大切

頭痛がするので起きていられない場合は、横になって休むのが一番です。その際、ソファなど急な角度がつくものではなく、正しい姿勢が取れる枕を使います。

頭を支えている首の骨が無理な位置にあると、頭痛がますますひどくなってしまうのでよくありません。

そこで、ベッドに横になったとき高すぎず低すぎず首を適度な角度に保ってくれる枕を選びましょう。

顎が引けている場合は高すぎで、逆に上がってしまっている場合は高すぎる可能性があります。自分に合った痛くない角度を探してみてください。

ホルモンや生活リズムの変化が原因。ストレスフルな更年期

更年期の頭痛は女性ホルモンの減少によって、脳に爽快感を与えるセロトニンの分泌が少なくなることから起こると考えられています。

それ以外にも、日常的なストレスから筋肉が緊張して血流が悪くなり、頭も痛くなることがあるようです。

改善するためには、それぞれの頭痛の原因や症状をよく理解して、温める、冷やすなど最適な対応をとりましょう。

またストレスの原因になっている問題を解消することも大切です。友達に相談したり、カウンセリングなどを利用するのがいいですね。

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