更年期は肩こりが酷くなりやすい時期。緊張やストレスの解消法

年々肩こりがひどくなっていくと悩んでいる方は、もしかすると更年期の症状が出始めているのかもしれません。

肩や首の筋肉がこわばってなかなかほぐれないと言うのも、更年期によく見られる症状の1つだからです。

肩こりも放っておくと強い痛みを伴い、日常生活を送ることが困難になります。そこで、更年期に起こりやすい肩こりの原因と対処法を見ていきましょう。

交感神経優位になることで肩こりは起こります

日本人の肩こりの罹患率は、30代から急激に増え始めますが、更年期が始まる40代、50代にかけても右肩上がりに増えていきます。

肩こりの原因になるのは、僧帽筋という首筋から背中のかけての大きな逆三角形をした筋肉です。

この筋肉の血流が悪くなって、疲労物質がたまるなどすることで肩がこったり痛みを感じたりするようになるのです。

筋肉への血流をコントロールしているのは、副交感神経と交感神経の2種類の自律神経です。

このうち、交感神経は興奮と緊張を司っていて、交感神経が優位になると血管は収縮する性質を持っています。

更年期に入ると、ホルモンのバランスが崩れることから交感神経優位になりやすいのです。そのため僧帽筋も緊張して肩こりを発します。

更年期に肩こりが酷くなその他の理由

更年期に起こる肩こりの原因は、自律神経だけではありません。30代を過ぎたあたりから女性のライフイベントや体力は大きく変化し始めます。

それに拍車がかかるのが閉経の前後の時期で、精神的にも身体的にも大きな負担を強いられることから、肩こりもひどくなります。

筋力の衰えが招く肩こり

40代に入ると、全身の筋肉量はどんどん減り始めます。加えて、長年のデスクワークで同じ姿勢を続けた疲労感などから、肩まわりの筋力が衰えていきます。

人の頭部と言うのは非常に重いものなのですが、体は首と背中の骨だけでそれを支えています。

背骨が支柱の役割をしているとしたら、脇から支えているのが僧帽筋です。この背中の筋肉が衰えていくと、重い頭を徐々に支えられなくなっていきます。

そのため、筋肉がますます疲労感を強くして緊張し、老廃物がたまって血流が悪くなっていくことが肩こりの原因になります。

四十肩から肩こりになることも

四十肩、五十肩とは、字の通り40代、50代の人のよく見られる肩の痛みで、腕が上がらない、上げようとすると痛みを伴うなどの症状がでます。

四十肩の原因はよくわかっていませんが、年齢化によって方周辺の血流が悪くなり、炎症がおきるためと考えられています。

肩の骨と背中の筋肉はつながっていますから、肩に炎症が出来て腕を動かしにくくなると、影響で肩こりも起こりやすくなります。

精神的なストレスから緊張してしまう

強いストレスを感じるとなんとなく肩に力が入ってしまいます。これは、ストレス刺激に対して防御体勢をとっているからです。

更年期には職場での人間関係や異動による重責、先に上げたように自分の体がそれまでより思い通りにならないことなどから高ストレス状態にあります。

そのため、肩や首周りの筋肉に常に力が入ってしまうので、やはり疲労が蓄積して痛みを発するようになっていくのです。

日常的に取り組むことができる肩こり解消法

肩こりを解消するには、緊張の原因となっているストレッサーを取り除くのが一番ですが、仕事が関わっているとそうも行きません。

そこで、ストレスに対抗すべく家庭でも簡単に取り組める肩こり解消法を紹介します。自分に合った方法を探してください。

ストレッチを習慣付ける

僧帽筋の緊張を解くには、血流を改善するのが一番です。そのため、まず筋肉を動かして血の巡りをよくしましょう。

そのためには、ちょっとした隙間時間にストレッチをすることが重要です。椅子に座ったまま伸びをするだけでもかまいません。

肩の筋肉をほぐす方法です

  • 片方の腕を伸ばしもう片方の手で反対側の肘を押さえ、引き寄せる
  • 両腕を背中の後ろで組んで、そのまま胸を開くように肩甲骨を近づける
  • 頭の上で一方の肘を反対の手で掴み、引っ張る

このほか、首を回したり肩を回したりすることも効果的です。ストレッチをしているときはなるべく大きく息をして、体中に酸素が行き渡るようにしましょう。

お風呂にしっかりと浸かる

ストレッチと同様に大切なのが、体を温めることです。一番よい方法は、湯船にしっかりと長い時間浸かることです。

このとき湯温はあまり高くしません。38度から40度程度がいいでしょう。あまり熱いお湯に入ると、体の表面の血管が膨張してのぼせてしまいます。

適度な湯温でゆっくり過ごすことで、副交感神経優位になり体がリラックスします。そのため肩こりの改善にもつながるのです。

ストレスコントロールをして自分を守る

心や体に負担をかけてくるストレスは、ストレスコントロールの練習をすることによってある程度解消することができます。

ストレスコントロールの方法です

  • ストレスの原因から逃げる
  • ストレスを感じている自分を変える
  • ストレスに邪魔されない生活をする

ストレスの原因になっている人、もの、ことから離れることが逃げることにつながります。ですが仕事や家庭の状況によっては難しいかもしれません。

その場合は、「なんてことないよね」とストレスに対する感じ方を変えることが大切です。それでもなかなか改善しない場合は、ストレス刺激が入ってこない環境を作ります。

1日に1時間だけでも、自分の部屋でゆっくりと過ごす時間を作ることで、思考がほかの事に集中するので嫌なことを忘れられます。

肩こりグッズを使用してみる

肩こり解消のためのグッズは数多く市販されています。人気なのがネックレスタイプのもので、マグネットが使用されているものが多いですね。

これで肩辺の血流を改善して、こわばった筋肉をほぐします。シンプルなデザインのものが多いので、1日付けていても邪魔になりません。

そのほかに効果的な肩こり解消グッズです。

  • 枕 寝ているときに正しい姿勢をとることで、首や肩に無駄な力がかかるのを防ぐ
  • つぼ押し機 湾曲した孫の手のような形状で軽く、痛いところをピンポイントで刺激できる
  • 温熱剤 ジェルや小豆などが中に入っていてレンジでチンして肩におくと、じんわりあたたまる
  • 家庭用マッサージ機 首、肩専用の小型のもので辛い凝りを刺激する

しつこい肩こりはマッサージで改善

がちがちに固まってしまった肩こりの場合は、ストレッチだけでは改善しないこともあります。

その場合は、マッサージ店などを利用してみましょう。マッサージにはいろいろな手法がありますが、ずれた筋肉を元に戻して神経の働きを正してくれます。

筋肉がほぐれると痛みが解消されるだけでなく、気分もすっきりするので、リフレッシュメントとしても効果的です。

筋力が衰え、ストレスに弱くなることで肩こりが起こる

若いころから肩こりの悩みを抱えている人は多いですが、40代以降はその傾向がさらに強くなっていきます。

それは自律神経の乱れによるものであり、筋力の衰えや、日常のストレスで緊張が絶えないことも原因に成ります。

簡単なストレッチをしたり、自分だけの時間を作るなどの工夫をして筋肉の緊張をほぐすように心がけましょう。

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