肩甲骨ダイエットのカギは褐色脂肪細胞。目指すのは代謝UP

背中の上の方にある手平くらいのサイズの大きな骨、肩甲骨は、普段の生活ではあまり意識をして動かすことがない部分ですよね。高い所の物を取ろうとした時や、ストレッチをするときなどに動かすくらい。という方も多いですよね。

ですが、この肩甲骨を動かすことで、ダイエットにつながると言われたらどうでしょうか。積極的に肩甲骨を動かしてみようかしら?と思いませんか。

どうして肩甲骨を動かすとダイエットになるのか。どのように動かせばより効果的なダイエットになるのかをご紹介します。

肩甲骨を動かすことがダイエットになる4つの理由

肩甲骨ダイエットの基本は、肩甲骨周りを動かすというものになります。動かす方法はいろいろあり、後でご紹介していきますが、どうして肩甲骨周りを動かすことが、ダイエットにつながっていくのでしょうか。

理由としては4つの物があります。

  • 褐色脂肪細胞を活性化できる
  • 血行やリンパの流れ改善しめぐりがよくなる
  • 肩甲骨につながる18の筋肉を動かせる
  • 骨盤を整え姿勢がよくなり代謝が上がる

4つの理由について詳しく解説していきます。

褐色脂肪細胞を活性化できる

脂肪といえば、エネルギーを蓄えてしまうもの。どちらかといえば冷えを招くもの。太る理由となるものというイメージがありますが、褐色脂肪細胞というのはこの脂肪に対するイメージとは真逆の性質を持っています。

イメージをしやすい脂肪は白色脂肪細胞と呼ばれるもので、体のあちこちにある体脂肪と呼ばれるものです。とくにお腹周りや太もも、二の腕など、お肉が気になる部分に蓄積する脂肪です。

それに対して、褐色脂肪細胞というのは、白色脂肪細胞をエネルギーとして発熱し、体をあたためるという役割を持っています。

例えば、外気温が低下すると、体も徐々に冷えてしまいますが、体が冷えると内臓などの機能が低下してしまいますが、褐色脂肪細胞が活性化して白色脂肪細胞を燃やし体を温めてあげることで、体温を一定に保ち、内臓機能が低下することを防げます。

特に機能低下が命の危機に直結する心臓、腎臓といった臓器の周りには、褐色脂肪細胞が存在して体温低下を起こさせないようにしてくれています。

心臓や腎臓のまわりのほかに、褐色脂肪細胞が多く存在するのは首の周辺、脊髄の周辺、脇の下、そして肩や肩甲骨の周りです。この部分以外には、褐色脂肪細胞はほとんど存在していません。

また、褐色脂肪細胞は年齢と共に減少するという性質もあります。年齢と共に太りやすくなるのは、この褐色脂肪細胞が年齢と共に減少するためでもあります。30代だと赤ちゃんの頃の約半分に、さらに40代になると約3割まで減少してしまいます。

一度減ってしまった褐色脂肪細胞は増えないため、残された褐色脂肪細胞をできるだけ活性化することで、白色脂肪細胞を分解して燃焼させる必要があります。

褐色脂肪細胞は冷え以外にも、動かすことで刺激を受けて活性化させられます。そのため、肩甲骨ダイエットで肩甲骨周りをしっかりと動かすことが、白色脂肪細胞を燃焼させて、痩せられることになります。

血行やリンパの流れ改善しめぐりがよくなる

肩こりを感じると軽く肩回りを動かすだけでかなりすっきりとするという経験を持つ方も多いのではないでしょうか。

普段の生活の中では、なかなか肩甲骨周りを動かす動作をすることが少なく、肩甲骨周りや肩回りの筋肉は凝り固まる状態が続きます。特に猫背の人は常に筋肉が引っ張られ緊張している状態が続くことになります。

こうなると肩甲骨周り、肩回りの筋肉が硬くなり疲労物質が溜まり込みます。さらに、血管やリンパ管などが圧迫され、血行不良やリンパの流れが悪くなるということが起こってきます。

これがいわゆる肩こりの状態を引き起こす原因になっています。

ですが、肩甲骨ダイエットによって肩甲骨周りを動かしてあげると、肩甲骨周りや肩回りの筋肉に柔らかさが戻り、血管やリンパ管の圧迫が低下するために血行改善、リンパの流れの改善ができます。

血行を良くすることやリンパの流れを良くすることは、そのまま代謝に必要な栄養や酸素を体中にしっかりと送り届けられ、不要な物を排出するというめぐりを良くすることにつながります。

めぐりを良くすることはダイエットの基本の一つです。特の肩回り、肩甲骨周りは心臓や腎臓にも近い場所なので、ここのめぐりを良くすることは血液循環やリンパの流れを良くするためには必要不可欠といえます。

肩甲骨ダイエットは肩こり解消にもつながり、肩こり解消はダイエットにもつながるんですね。

肩甲骨につながる18の筋肉を動かせる

骨と筋肉は繋がっています。骨を動かそうとするときには、つながっている筋肉も同時に動かせます。

肩甲骨は手のひらくらいの面積がある大きな骨で、この骨には18種類の筋肉がつながっています。つまり、肩甲骨を動かすだけで、18種類の筋肉を同時に動かせます。

肩甲骨は身体の背面にある骨なので、僧帽筋や広背筋といった背中の筋肉と繋がっているというのは想像がつきやすいですが、身体の前面にある小胸筋や、身体の側面にある前鋸筋なども繋がっています。

もちろん、肩にある大きな筋肉三角筋や、腕の上の方の筋肉の上腕二頭筋などともつながっています。

筋肉同士も互いに連携しあい動きますので、肩甲骨を動かすと直接的につながっている18種類の筋肉だけではなく、かなり広範囲の筋肉を動かせるということになります。

筋肉が動けばそれだけでもエネルギーを消費しますので、肩甲骨ダイエットで得られる消費エネルギーは想像以上のものになってきます。

筋肉が動いてエネルギーが消費され、さらに褐色脂肪細胞を刺激して脂肪を分解しエネルギーとしてくれるのですから、ダイエット効果が高いのもうなづけます。

骨盤を整え姿勢がよくなり代謝が上がる

肩甲骨と骨盤には密接な関係があります。背中の部分と腰の部分と離れた場所にありますが、連動して動いているためです。

骨盤が整うと肩甲骨がきれいに立ち、肩甲骨がきれいに動くようになれば、骨盤の動きもよくなります。

椅子などにすわり、ちょっと骨盤を後傾させると肩甲骨が開き肩が内側に入り猫背の状態になりませんか?逆に肩甲骨をギュッと寄せて座ると自然と骨盤が立ち、正しい姿勢で座れます。

肩甲骨ダイエットをすることで肩甲骨周りの筋肉をしっかりと動かし、鍛えられるため、自然と肩甲骨が寄り、骨盤が立つ姿勢をキープしやすくなります。

この状態がキープできると、猫背が解消され、骨盤の上にしっかりと背骨が乗り、頭が乗るという良い姿勢を保つことができるようになります。

正しい姿勢をキープすることは、血管やリンパ管を圧迫する存在が減り、自然とめぐりがよくなります。めぐりがよくなるということは、必要な栄養や酸素が体中に行き渡り、不要な物をしっかりと排出できるようになるため、代謝も上がります。

肩甲骨を動かすだけというダイエットなのに、姿勢改善にまでつながってくるというのは、驚くべきことですよね。

効率的な肩甲骨ダイエットの方法

肩甲骨ダイエットがどうして効率の良いダイエットなのかが分かってきたところで、ではどのように動かしていけばよいのかという点をご紹介していきます。

隙間時間にできる簡単ストレッチ

仕事の合間や肩が凝ってしまったといったようなときに試せる簡単なストレッチで、まずは固まってしまっている肩甲骨周りをほぐすということから始めてみましょう。

隙間時間にできる簡単ストレッチで、6方向に動かせる肩甲骨の可動域を高めていきましょう。

肩甲骨を上下に動かす肩上げストレッチ
肩を上げたり下げたりすることで、肩甲骨を挙上(持ち上げる)したり引き下げたりする動きができます。挙上よりも引き下げるほうが難しいので、しっかりと引き下げることを意識しましょう。

  1. 両肩の高さを水平に保ち、手のひらを腰に軽く当てます
  2. 息を吸いながら肩甲骨を意識しながら肩をゆっくりと上にあげます
  3. 息を吐きながら肩甲骨をできるだけ引き下げるよう意識をしながら肩を下げます

肩だけがまるで糸で上方向に引っ張られ、その後糸が切れて下がるというイメージを持ってください。腕や肩が前に出ないようにしましょう。

肩甲骨を外転・内転させるストレッチ
何かを抱きしめるような動作をすることで、左右の肩甲骨の間が開き外側に広がる動きを外転、逆に肩甲骨を寄せ胸を開くような動きを内転といいます。どちらかといえば内転のほうが動きにくさを感じます。

  1. 両肩の高さは水平に保ち、肩甲骨を開き何かを抱きかかえるように腕を前に出し、両手の平は下に向けます
  2. 息を吸いながらゆっくりと手のひらを下にしたまま肩甲骨を寄せるようにして胸を開いていきます
  3. 息を吐きながら肩甲骨をゆっくりと開いていき元のポジションに戻します

動かすときに肩を上げないように気を付けましょう。また腰も動かさないようにしましょう。

肩甲骨を上方回旋・下方回旋させるストレッチ

腕を上にあげる動作は肩甲骨を上に持ち上げつつ外側に広げる上方回旋という動きになります。背中を掻くように腕を背中に回す動きは、肩甲骨を下に下げながら内側に寄せる下方回旋という動きです。

  1. 手を上にあげます。この時肘は伸ばし、手のひらを内側に向けます
  2. 息を吸いながら肘を曲げながら手のひらを外側に向け肩甲骨を寄せていきます
  3. 息を吐きながら肘を伸ばし、元のポジションに戻します

必ず肩甲骨を意識して動かすこと、腰や上体ばぶれないようにしましょう。あくまでも肩甲骨を動かすことをしっかりと意識します。

これらのストレッチはまず肩甲骨を動かすことに慣れること、凝り固まった肩甲骨周りの筋肉をほぐすことを目的としています。

痛みを感じるほど無理してい動かすのではなく、痛気持ち良い程度までストレッチをかけるようにしましょう。

朝と夜に5分のストレッチでOKのゲッタマンメソッドで痩せる

竹之内整体クリニックの院長である竹之内敏さんことゲッタマンが2010年5月に出版した”最強の5分間「肩甲骨」ダイエット”という本が非常に話題になりました。

この本の中で紹介されているのがゲッタマンメソッドというもので、ゲッタマン体操とも呼ばれています。

朝起きた時と夜寝る前の5分間だけ、ゲッタマン体操を行うことで効率的なダイエットができる。というものです。ゲッタマン体操にはいろいろなものがありますが、その一部をご紹介します。

ゲッタマン体操No.3
  1. 腕を伸ばし手を前で交差させる。手のひらは内側に向け親指が体の方、小指が外側を向くようにする
    (イラスト化画像1-1)
  2. 息を吐きながらクロスした手を小指から引っ張り上げるように頭の上にあげる
    (イラスト化画像1-2)
  3. クロスした手を広げまっすぐ上にあげる。手のひらは内側を向ける。
    (イラスト化画像1-3)
  4. 胸を開き、手のひらが上を向くように、肘はできるだけ曲げないようにできるだけ後ろに腕を降ろしていく
    (イラスト化画像1-4)
  5. 息を吸いながら親指で引っ張るように腕を上げてをクロスした状態に戻していく
    (イラスト化画像1-5)

ストレッチポールを使い肩甲骨リリースを行う

身体のゆがみや猫背などの姿勢の悪さによって筋肉が緊張し続けることを改善させ、筋肉を緩めることができるエクササイズグッズとして人気のストレッチポールを使うことで、効率よく肩甲骨ダイエットを行うことが出来ます。

肩甲骨リリースとも呼ばれる方法で、肩甲骨周りの筋肉を緩めて整えることができます。

  1. ストレッチポールの上に頭、背中、骨盤の三点が当たる部分を探してあおむけで横になります
  2. 膝を曲げて足は肩幅よりもやや広め、腕を八の字に開いて肘から手の甲にかけては床につけ安定させます
  3. 肘と手の甲で床を滑らせるようにして胸の高さまで開きあげます
    (イラスト化画像1-6)
  4. 20~40秒ほどを目安に行います
  5. 次に肘と手の甲を床につけた状態で、床に円を描くように大きく回します
  6. 徐々に小さな円を描くようにしていきます
    (イラスト化画像1-7)
  7. 肩甲骨の奥や背骨に振動がくるように動かすのがポイントです
  8. 1方向10~20回ほどを目安にします
  9. 最後に腕を天井に向けて引き揚げ、指先が引っ張り上げられる感覚で伸ばし上げます
  10. そのまま肩だけを床に引き落としますリズミカルに10~15回繰り返します
    (イラスト化画像1-8)
ストレッチポールを使った肩甲骨リリースは他にもいろいろな方法がありますので、慣れてきたらいろいろな方法を試してみてください。

肩甲骨ダイエットは朝と夜毎日継続することが必要

肩甲骨ダイエット即効性があるダイエットとはいえず、効果を実感したという人の中でも、3ヵ月~半年ほど継続して初めて効果を感じたという人が多くなっています。毎日継続することが必要ということになってきます。

肩甲骨ダイエットをする時間帯も、朝と夜の2回がベストと言われています。これは自律神経の働きと関係があります。自律神経というのは、リラックスするときに優位に働く副交感神経と、活発に動くときに優位に働く交感神経の二つの神経です。

  • 朝肩甲骨ダイエットのためのストレッチを行うことで、交感神経が活性化し優位に働くようになるため、すっきりと目を覚ますことが出来ます。
  • 夜肩甲骨ダイエットのためのストレッチを行うことで、副交感神経が活性化し優位に働くようになるため、よく眠れるようになります。

一日の生活リズムを朝と夜の肩甲骨ダイエットのためのストレッチが整える効果があります。生活のリズムを整えることは、体を痩せやすい体質に整える効果もあるため、朝と夜の肩甲骨ダイエットがより痩せやすい身体づくりに効果的に働きます。

根気よく続けてスッキリ体型を目指しましょう

肩甲骨ダイエットは決して難しいものではありませんが、根気強く続けることが大切です。ただ、根気強く続けるということが、一番難しいと感じるかもしれませんね。

最初の数週間は大変かもしれませんが、習慣化してしまえば続けられるダイエットにもなっています。朝や夜寝る前のルーティーンの一つとして、肩甲骨を動かすストレッチを取り入れ、まずは続けられるようにしていきましょう。

結果が出てくるまでには時間がかかりますが、その間に生活リズムも整い、痩せやすい身体づくりもできそうですね。

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