ほてりは更年期の初期症状。原因と不快感に対する上手な処置
更年期とは閉経の前後10年間の時期を指して言いますが、このうち初期から見られる症状がほてりやのぼせです。
40代から50代の女性の多くが経験するもので、更年期の代表的な症状とも言えますが、中には重症化して治療が必要になる場合もあります。
大量の汗や体感温度の上昇などに象徴されるほてりの症状は何故起きるのでしょうか。更年期のほてり、のぼせの原因と対策を見てきましょう。
顔から上半身にかけて強い熱感を感じるほてり
特に気温が高くないのに、体感温度が上がって汗をかいてしまったり息切れが出たりする症状がほてりです。
特徴は、顔を中心に上半身だけに熱感が集中するもので、顔は暑いのに手足は冷たいということもあります。
特に手足の冷えがひどい場合を、冷えのぼせと言います。女性は冷え性になりやすいので、更年期症状と平行してこのような症状になるのです。
のぼせやほてりの症状です
- 体がカーッと暑くなり、その状態が2、3分続く
- 顔が真っ赤になる
- 汗を大量にかく
- 頭がぼーっとする
冷えのぼせの場合は、ふだんから血流が悪くなっているので、こうした症状に加えて頭痛などが起こり日常生活が困難になることもあるようです。
ほてりやのぼせはいつから起こるか
強い熱感を伴うほてりやのぼせの症状は、閉経の数年前から起こるようです。更年期は閉経の約5年前くらいから始まりますので、ちょうど更年期が始まる時期と重なります。
そのため、更年期を自覚するきっかけになる症状とも言えます。更年期の始まりには個人差があるので、発汗や熱感がひとつの見分け方になります。
夏でもないのに汗をかく回数が増えたなど、上に上げた症状が現れたら、体は閉経に向けて準備を始めているのかもしれません。
ほてりが起こる原因はホルモンと神経の乱れ
閉経に向けて、女性の体の中の卵巣の働きは抑制されていきます。卵巣は女性ホルモンを分泌する場所なので、この時期から女性ホルモンの量は激減していくのです。
女性ホルモンを分泌するための指令を送っているのは、脳の視床下部ですが、ホルモンが作られなくなっても視床下部からの命令は続きます。
ですが、命令が来てもホルモンの量は回復しません。この神経とホルモンのトラブルがほてりの原因となるのです。
血管運動神経の障害を招く
指令を送ってもホルモンが分泌されないことで混乱した視床下部の影響で、自律神経の働きも混乱します。
血管の拡張や収縮をコントロールし、血流がスムーズになるように動いている血管運動神経も自律神経に制御されています。
その結果体が突然熱くなったり、それを下げるために汗が大量に噴き出たりするのです。この神経とホルモンの混乱は、長ければ7、8年続くこともあります。
ほてりやのぼせがひどいときの対処法
過敏になってしまった神経の働きを抑えることが一番ですが、発汗やほてりは起きているときの不快感がまず辛いものです。
そこで、のぼせの対処法として体感温度を下げるようにしましょう。簡単に体温を下げる方法や、神経に刺激を与えない工夫を紹介します。
アイスノンなどで首周りを冷やす
耳の下や首周りに駈けては、太い血管が通っています。そこでこの部分を急速冷却することで、速やかに体感温度を下げることができます。
アイスノンや冷たいお絞りをつかって、首周りを拭いたり、血管が強く脈打っている場所を探してあてがってみてましょう。
この方法は上半身を巡っている血の温度を下げるのに効果があり、急激な体温の上昇に対処することができます。
外出先でアイスノンなどが手配出来ない場合は、冷えた飲み物を買ってハンカチにくるんで代用してください。
カプサイシンなどの発汗作用のあるものは避ける
唐辛子に含まれるカプサイシンなどには、血管を拡張して発汗を促す作用があります。
ほてりやのぼせの症状が酷い場合にはこうした体温を上げる性質を持った食べ物は避けるようにしましょう。
水分補給やリフレッシュメントにはノンカフェインのお茶やソフトドリンクを。お酒が好きな人はノンアルコールビールなどで気分転換をしましょう。
ホルモンの乱れによって体温調節が難しくなります
ほてりとは、女性ホルモンの量が減ることの影響で脳の視床下部が混乱を起こすことから始まります。
一度乱れてしまった神経のバランスと整えるには、病院を受診して薬を処方してもらうのが一番即効性のある方法です。
その時間が取れない方は、急な汗に対応できるように、常に冷たいお絞りを持っておいたり、刺激物を取らないなど工夫をしてください。
コメントする