ピルを飲む女性は薄毛になるって本当なの?ピルと薄毛の深い関係
避妊のため、生理痛軽減のため、そして体内のリズムを整えるためにピルを服用する方も増えています。女性の味方と言っても良い存在ですが、「髪」との関連性を指摘する方も少なくありません。
抜け毛が増えると言われたり、反対に抜け毛を抑制できると言われたり…。ピルと髪に関する気になるウワサを聞いた経験がある方も多いはず。
本当のところはどうなのか、ピルと女性の薄毛との関連性について解説していきます。
Contents
抜け毛増加はピルの副作用の一つ!
ピルは、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」を含んでいる薬です。女性ホルモンを体内に投与することで、月経期間をコントロールしたり、避妊効果を得られたりします。
女性特有の病気の治療のために、低用量ピルを服用する方も多いはずです。とはいえピルには、副作用もあるので注意が必要です。
- 乳がん
- 子宮がん
- 血栓症
- 吐き気
- にきび
- 倦怠感
- 体重増加
- 抜け毛増加・薄毛進行
乳がんや子宮がん、血栓症は命に係わる重大な副作用ですが、実際にこれらの症状が現れる方はごく稀です。
一方で吐き気やにきび、倦怠感などは、一般的に経験しやすい副作用と言えます。抜け毛増加や薄毛進行もその中の一つです。
ピルが女性の髪に作用するメカニズム
女性の薄毛が進行するのは、ピルによる副作用の一つ。しかし実際には、ピルがそのまま「髪」に作用するわけではありません。
ピルはあくまでも、体内の女性ホルモンに作用する薬です。しかし女性の髪が生え変わるサイクルには、女性ホルモンが深く関わっているために「薄毛」のトラブルが起きる可能性もあります。
- ピルの服用で、女性ホルモンのバランスが変化する
- 女性ホルモンが髪の生え代わりに影響を与える
- タイミングによっては薄毛につながる
女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、健康的な髪を作るためのサポートを行ってくれます。妊娠中に髪が抜けにくくなるのは、妊娠を維持するために女性ホルモンの分泌が活発になるためです。
ピルを服用するとエストロゲンが外部から補充され、妊娠中と似たような状況が生み出されます。
これにより抜け毛が減りますから、すでに薄毛が進行している方にとっては「ピルを飲み始めたら、気になる薄毛が改善してきた!」なんて感じることもあるかもしれません。
ピルの「飲み始め」と「飲み終わり」には注意して
薄毛を進行させるよりも、むしろ健康な髪の育成をサポートしてくれる低用量ピル。ではなぜ「ピルを飲むと薄毛になる」と言われているのでしょうか。
その理由は、抜け毛の増加が気になり始めるタイミングにあります。
ピルを飲み始めた直後は、女性ホルモンが増えることで、体内のホルモンバランスが一気に崩れてしまいます。
ピルに体が慣れるまでは、ホルモンバランスの乱れが薄毛を進行させやすい状況を生み出してしまう可能性があるのです。
またもう一つ、より注意が必要なタイミングが「ピルを飲み終えた直後」です。これまで、ピルで補ってきたエストロゲンが急激に減少するわけですから、抜け毛が増えるのは当然のこと。
妊娠を終えたあとに一時的に抜け毛が増えるのと同じように、ピルを飲み終えた後も薄毛が気になってしまうことがあります。
ピルと女性の髪に関する噂に「抜け毛が減って、髪が増えた!」というものと「薄毛が進行してしまった…」というものが混ざり合っているのは、このためです。
ピル服用のタイミングによって、どちらも経験するのはごく自然なことだと言えるでしょう。
薄毛対策にピルを服用するのはリスクが高い!
女性ホルモンに働きかけ、女性の髪にとってより良い環境を整えてくれるピル。特に女性ホルモンの減少によって薄毛が進行している場合は、「救世主」と言っても良いかもしれません。
薄毛の原因となっている問題そのものに、直接アプローチすることができるでしょう。
しかし薄毛対策にピルを服用するのは、以下のような理由からオススメできません。
- ごくわずかではあるものの、ピル服用には重篤な副作用の可能性がある
- ピルをやめれば、抜け毛は増えてしまう
- ホルモンバランスの変化が原因で、かえって薄毛が進行してしまうこともある
薄毛対策でピルを飲み始めれば、確かに効果を実感できるかもしれません。しかしその効果とは、ピルをやめたらすぐに失われてしまうもの。
継続的に薄毛ケアを行っていくためには、当然ピルを飲み続ける必要があるのです。
しかし現実には、ごくわずかな確率ながらも、ピルには重篤な副作用があると報告されています。体のこと、副作用のリスクを考えて、ピルの処方には慎重な姿勢を崩さない医師も少なくありません。
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ピルによる薄毛…気になる対処法3つ
薄毛対策としてピルを処方されるケースはほとんどありませんが、女性特有の問題のため、医師からピルの服用を勧められるケースもあるでしょう。
このような場合でも、やはり髪への影響は避けられません。服用中は「薄毛が改善した!」と喜んでいても、服用を中止した後に「より一層薄毛が気になる!」なんて状況に陥る可能性も否定できません。
ピル服用がきっかけで薄毛が気になり始めたときには、どのような対策をとるべきなのでしょうか。具体的に3つ紹介します。
生活習慣を整える
抜け毛の原因はさまざまで、ピルの影響もその中の一つ。しかしある程度年齢を重ねた女性の場合、そのほかの要素が複合的に絡み合っている可能性もあります。
- シャンプー習慣を見直す
- 髪と頭皮に良い食事を心掛ける
- 睡眠の質をアップする
- 頭皮マッサージで血流を良くする
- 育毛剤などで、栄養を塗布する
これらの対策を行って、髪と頭皮に優しい生活を心掛けることで、抜け毛の量を最小限に食い止められる可能性も高いです。
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大豆イソフラボンを積極的に摂取する
ピルの服用をやめたあとに薄毛が進行するのは、体内の女性ホルモンが一気に減少し、ホルモンバランスが崩れてしまうためです。
女性ホルモンに似た働きをすると言われている大豆イソフラボンを積極的に摂取することで、薄毛ケアにつなげられる可能性もあります。
大豆イソフラボンが豊富に含まれている食品は以下のとおりです。
- 納豆
- 豆腐
- 豆乳
- きな粉
大豆イソフラボンという名前のとおり、大豆系の食品に多く含まれています。これらの食物を組み合わせて摂取してみてください。
時間が経過するのを待つ
最後にお伝えするのは、非常にシンプルなポイントです。ピル服用後に抜ける髪は、「本来なら、とっくに抜け落ちていたはずの髪」です。
時間が経過してホルモンバランスが整えば、自然と抜け毛の量は少なくなってきます。
どれぐらいの期間で抜け毛が減るのかには個人差がありますが、数か月から1年程度で元の状態に戻っていきます。焦らずに、そのときを待つようにしましょう。
ただし1年を経過しても抜け毛の量がおさまらず、どんどん薄毛が進行してしまうような場合は、別の原因が潜んでいる可能性もあります。
一度専門医のもとで、抜け毛が増えている原因について調べてもらうことをオススメします。
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ピルの影響による薄毛は本当。薄毛対策は別の方法で行おう
薄毛で悩んでいるときに「ピルを飲むと状況を改善できる」と聞けば、思わず飛びつきたくなるのも無理はありません。
しかしピルによる薄毛ケアは、「ピルを飲んでいる間だけ、その効果を実感できるもの」です。根本的な解決方法ではないので、注意する必要があります。
また、ピルを飲み始めたタイミングや飲み終えたあとには、「抜け毛増加」の副作用でより一層薄毛が進行してしまう可能性も…。
ピルが女性の髪に与える影響を正しく理解して、上手に付き合っていきましょう。
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