ダイエットの停滞期が起こる理由は体のセイフティー機能の発動

ダイエットを実践して順調に体重が落ちてきたと思ったのに、急に体重が落ちにくくなる時期があります。停滞期と呼ばれ、この時期に入ると何をやっても体重が落ちずダイエットに挫折。という流れになる方が多いですよね。

なぜ停滞期は起こるのかという謎は解明されています。そして、停滞期を起こさせずにダイエットを続ける方法もあります。停滞期に突入せずに安定して体重を落とす方法と、もし停滞期に入ってしまった場合の脱出方法をご紹介します。

身体のセイフティー機能が働き停滞期が起こる

ダイエットを2~3ヵ月くらい続けていると、今まで順調に減量ができていたのに、急に体重が減らなくなってしまう時期がやってきます。いわゆる停滞期です。

ダイエットはもともと、増えすぎた体重を落としたり、理想的な体型を手に入れるといった目的をもち、どちらかと言えば健康的な身体を手に入れるために自分の意思で行うものです。

ですが、人間の身体の中では、今の体の状況をキープしたいという無意識が働きます。そのためには、ダイエットによって急に体重が減ることは、今の状態をキープしたい身体にとっては、見逃せない出来事です。

  • もしかしたらこのまま体重が減り続けてしまう危険がある。
  • 今までは飽食の時代だったけど、ここにきて飢餓がやってきたのかもしれない。
  • これ以上体重が減るのは命の危機につながる。

身体の中では無意識にこのように考え、今の状況をキープするための機能が働き始めます。ホメオスタシスといって、日本語に言い換えると恒常性の維持といいます。

つまり、ダイエットで健康になりたいという自分の意思と、今の状況をキープしようとする身体の中の無意識の働きが衝突する時期が、停滞期になります。

これは人間としてというよりは、一つの生命として生命を維持するためのセイフティー機能が働くために起こることです。何度も飢餓にあいながら進化を遂げてきた生物として、生き残るために備えられた機能です。

摂取するエネルギーよりも消費するエネルギーの方が増えれば体重を落とせるダイエットですが、体が消費するエネルギーをできるだけ減らそうとするのがホメオスタシスの働きです。

だから、今までのようにダイエットをしていても、体が勝手に消費エネルギーをセーブしてしまうために体重が減らなくなってしまうのです。

停滞期に入る減少体重は人それぞれ。もともとの体重から計算しよう

どのくらい体重を落とせば停滞期に入るかというのは、ダイエットをする人によって変わってきます。

ダイエットを始めて2ヵ月くらいは順調に体重が落ちたのに、3カ月目に入って急に停滞期に入る人もいれば、半年くらいダイエットをしているけど、まだ停滞期にならないという人もいます。

停滞期に入る基準はどこにあるのでしょうか。

目安はもとの体重の5%体重が減った時

必ずこの基準ということは言えませんが、目安としては1カ月間で体重の5%以上の体重が減った場合、停滞期に入る可能性が高くなります。この状態が2カ月以上続けば、身体は飢餓が来たと感じ、ホメオスタシスが起こりやすくなることが分かっています。

もともと体重が50㎏あった人なら一ヵ月にマイナス2.5kg、60㎏あった人なら1か月にマイナス3㎏、70㎏あったひとなら1か月にマイナス3.5㎏以上の減量を2ヵ月以上行うと、ホメオスタシスが起こり停滞期が起こりやすくなります。

たとえば、もともと60㎏の体重だった人が、1か月で2.5㎏体重を落とし続けた場合、3カ月目にはホメオスタシスが起こる可能性が出てきます。

停滞させずにダイエットと続けるための方法

順調にダイエットをしていけば、どうしてもやってくる停滞期ですが、中には停滞期を感じずに順調に体重を落としている人もいます。

できれば、停滞期を感じないで体重を落としていければ、停滞期のストレスを感じずに済みますよね。どうしたら停滞期を感じずにダイエットを続けていけるのでしょうか。

身体を上手にだますことで停滞期を回避する

ホメオスタシスは身体が無意識のうちに飢餓が来たと感じるために起こるものですが、身体に飢餓が来たと思わせなければ、起こりません。

ダイエットをしていくなかで、ちょっといつもよりも体重が落ちにくくなったと感じた時は、実は身体がもしかして飢餓が来たのかも。と様子をうかがっている状態です。

この時に飢餓は来ないよ。と身体をだましてあげれば、ホメオスタシスは起こりにくくなってきます。

ではだますにはどうしたらいいのでしょうか。沢山のエネルギーを身体に与えてあげれば、体は安心して飢餓が来ないことを理解してくれます。

時折ダイエット中でもご褒美として甘いものをたくさん食べる日を設けたり、炭水化物をたくさん食べるという人がいますが、これが身体を上手にだます方法の一つです。

チートデイやご褒美デイなどと呼ばれる方法ですが、この方法で身体をだますためには、日ごろから体重を毎日測り、グラフ化するなどで体重が落ちにくくなるタイミングを計り、停滞期に入る前に実行することが必要です。

マイナスのダイエットではなくプラスのダイエットを心掛ける

ダイエットの基本は「摂取カロリー < 消費カロリー」になるようにコントロールをする事ですが、多くの女性が消費カロリーを高めることよりも、摂取カロリーを減らすダイエットを行う傾向があります。

いわゆるマイナスのダイエットです。これでは体は飢餓が来たと感じやすくなってしまいます。

それよりも、摂取カロリーを減らす割合は少なくして、消費カロリーを高める方法で、摂取カロリーと消費カロリーをコントロールするようにします。つまり、消費カロリーをプラスするダイエットです。これは運動によるダイエットのことです。

運動によるダイエットは、体重を落とすというよりは、筋肉をつけて飢餓に強い身体づくりをしていくことにもつながります。実は運動によるダイエットは思っているほど体重が減らないと感じます。

体重は減らないのに体は引き締まってくるのが、運動によるダイエットです。身体が引き締まり筋肉がついてくると、徐々に消費カロリーが増え体重が減り始めます。これは基礎代謝が上がるためです。

基礎代謝を上げるダイエットはホメオスタシスが起こるほどの急激な体重減少は起こりにくいので、停滞期を起こさずにダイエットができます。

ただ、過度な運動によるダイエットではホメオスタシスが起こる可能性はあります。

停滞期が来るまでにダイエットを終わらせる

停滞期はダイエットを始めてから2ヵ月くらいはかかります。つまり、停滞期が来る前の2ヵ月間で、できるだけ沢山体重を減らしてダイエットを辞めてしまえば、停滞期を感じずにダイエットを終了できます。

長くダイエットを続けるよりも、2か月間という非常に短い期間でダイエットを終えることは、ダイエットによるストレスも回避できます。

ただ、気を付けたいのは短期間で極端なダイエットをすると、リバウンドしやすくなります。ダイエットを終えた後は、体重を維持する努力を行うことが必要です。

停滞期になってしまった場合のタイプ別停滞期乗り切り法

停滞期をうまく回避したくても、結果的に停滞期に突入してしまったときには、どうしたら停滞期を乗り切れるのでしょうか。

ここでは停滞期の乗り切り方について説明していきます。

不足している栄養をしっかりと補う

食事制限を行うダイエットの中には、栄養が偏ってしまっている食事をとり続けている方もいます。

身体にとって必要な栄養が不足していると、ホメオスタシスが起こるために停滞期になっているのではなく、栄養不足によって停滞期が起こっている可能性がでてきます。

糖質制限を含む食事を制限するタイプのダイエットをしている方は、今までの食生活を振り返り、不足している栄養素の摂取を心掛けてみましょう。それだけで停滞期があっさりと終るケースもあります。

消化が良い食事からよく噛む食事に切り替える

ダイエット食品を使って摂取カロリーを制限している方もいますよね。
シェイク、ゼリー、スープなど、ダイエット食品の中には消化が良く消化器官に負担がかかりにくいものが多くあります。

ですが、この消化器官に優しい食事が、消化器官の活性を失わせ、代謝を下げてしまっている可能性があります。

しっかりとした固形物を食べる食事は、胃や腸に負担をかけるものではありますが、適度に胃や腸を使うことになるため、活性を失わせることはありません、適度に使うことはとても大切です。

よく噛んで食べる食事に切り替えることで、消化器官の活性を取り戻し、代謝を高めることで停滞期を乗り越えることができることもあります。

ダイエットは継続することが最大の脱出法

栄養不足やダイエット食品に頼った摂取カロリー制限を行っていない場合には、ホメオスタシスによる停滞期が起こっていることがほとんどです。こうなった場合には、今行っているダイエットを継続することが必要になってきます。

今ダイエットをしている状態が、実は普通の状態なので、飢餓の状態ではないですよ。

ということを身体に分かってもらうためにダイエットを継続することが必要になってきます。

ホメオスタシスが起こっている状態は、実際には身体はこのままの状態で命の危険がないのかを判断している時期でもあります。まずは基礎代謝を減らして様子を持ているため、体重減少が起こらない状態です。

ダイエットをしている状態が続けば、これが普通なのかな?と身体が判断をして、徐々に基礎代謝を減らしている状態を解除し、再び体重が減るようになってきます。

ただ、停滞期は人によって2週間~1か月くらい続くため、体重が減らない状態のままダイエットを続けることはかなり困難です。そのために挫折していしまう人も多くなってしまいますよね。

過激なダイエット、過度な食事制限は避ける

停滞期に入ると、今までのダイエット法では痩せない、体重が落ちないためにどうしてもより過激なダイエットや過度な食事制限を行おうとする人がいます。ですが、これは一時的に体重を落とせても、逆効果に働くことがあります。

停滞期は体のセーフティー機能が働くことで起こります。つまり、エネルギーが不足することを危惧している状態なのに、さらに消費するエネルギーを増やしたり、摂取エネルギーを減らすと、体はますます生命の危機を感じることになります。

体重が減らないという焦りもありますが、停滞期を脱出すれば、今まで減量できていたダイエットであれば、減量ができます。これを信じて、今までのダイエットの継続が一番良い方法です。

停滞期になったから新たなダイエットにチャレンジする、ダイエット法を変えることは避け、今まで通りのダイエットを継続し、体にこれが普通と感じさせることが大切です。

停滞期であきらめると次のダイエットはさらに困難になる

停滞期でダイエットをあきらめてしまうと、次にまたダイエットをしようとするときには、なかなか痩せないという事が起こります。

身体は一度停滞期を起こしたことで、エネルギーの過度の消費は体にとって良くないものであるということを記憶してしまいます。

停滞期を乗り越えてしまえば、この記憶はまた命の危険が迫るほど悪いものではないという記憶も残りますが、挫折をするとダイエット=体に悪いものという記憶が残ります。

結果としてダイエットを行っても痩せにくくなってしまいます。つまり、次のダイエットが非常に困難なものになってしまいます。

何度もリバウンドを繰り返し、ダイエットをするたびに痩せにくくなっていくのを感じるのはこのためです。

辛い停滞期を乗り越えれば結果は確実についてくる

2~3ヵ月ほどダイエットを続ければ、どうしても停滞期はやってきます。ですが、そこでダイエットを辞めてしまうのはとてももったいないことです。

停滞期が起こる仕組みを理解できれば、停滞期を効率よく回避する方法や、停滞期を長引かせない方法も理解できます。ぜひ仕組みを知り少しでも早く停滞期を乗り越えていけるようにしましょう。

運動によるダイエットは辛いのではなく習慣化できれば、停滞期も気にすることなく続けることも可能です。ぜひ運動によるダイエットは楽しめるものを選んでください。

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