痛いほくろは皮膚トラブルの表れかも…ほくろと間違えやすい病気とは?

ほくろは生まれたときから体についているものがほとんどです。でも中には年齢を重ねてからできたり、目立ってくるものもあります。

でも、ほくろの数が増えるのはよくあることなので心配は要りません。ただ、今まであったほくろが痛み出したりすると、肌トラブルが心配になります。

痛むほくろは何かの病気のサインかもしれません。30代以降から起こりやすいほくろのトラブルについて解説します。

年齢を重ねるとほくろにトラブルが起きることも

ほくろとは、メラニン色素が体の一部に集中して発生している、良性の腫瘍のことです。

良性なのでほとんどのものはそのままほうっておいて何の問題もありません。ただ、次のような場合は要注意です。

  • 腫れて痛みを伴っている
  • 膿のようなものが出てくる
  • かゆみがある

ほくろを押さえると痛む、腫れているので抑えたら膿が出てきたなどの症状があったら、皮膚の病気を疑ったほうがいいかもしれません。

痛いほくろについてはコチラの記事も参考にしてみてくださいね。

ほくろが痛むときに考えられる症状2つ

ほくろは急に大きくなったり突然できたりしても、あまり痛みを感じることはありません。

痛みを感じるほくろ状のものは、湿疹やにきびと間違われているものが多いのですね。そこで、実際にほくろが痛むときに考えられる疾患を見ていきましょう。

悪性黒色腫の可能性があります

メラノーマ、あるいはほくろガンと呼ばれている一種の皮膚がんです。幸い発見が早いことから、治療しやすく直りやすいガンとされています。

肌は普段露出していることが多いので、目に付きやすくその他の臓器のガンよりも発見が早いのが特徴なのですね。

悪性黒色腫は、もともとあったほくろの細胞が異常に増殖することでおきます。原因は以下のようなものです。

  • 紫外線の浴びすぎ
  • ほくろの部分に刺激が加わりすぎた
  • 傷や炎症のあとから発症する
  • 遺伝的な要因

20代~30代の人にも起こりやすい症状ですが、40~50代になると罹患率がぐんと上がりだします。

この原因はよくわかっていません。ただ、年齢が高くなるとその分肌ストレスや紫外線を浴びる時間が増えていきます。

紫外線や肌ストレスはほくろにも刺激を与えます。そのため、悪性黒色腫は加齢と伴に発症しやすい肌の疾患と考えられるのです。

膿が出るときは粉瘤腫の可能性も

皮膚が盛り上がって中心にほくろのようなあとがあり、痛みを伴って膿のようなものが出ている場合は、粉粒腫を疑いましょう。

粉瘤腫
皮膚組織が何らかの原因で内側に向かって拡張し、袋のようになってしまうこと。その中に角質や垢などがたまって腫れてくることが多い。

そのため、膿のような内容物が発生する。体のどこにでもでき、脂肪腫と間違われやすい。

粉瘤腫ができると、袋の入り口が黒く点のようになるので、ほくろと間違われやすいのが特徴です。

ですが内部の袋の中に古くなった角質が落ち込んでどんどん溜まっていきますので、平坦なほくろよりに比べて黒い部分が膨らんできます。

粉瘤腫がどうしてできるのかはまだわかっていません。体のどこにでもできることや、幅広い年齢層で発症することが特定を妨げています。

ただメラノーマ同様に、ある程度年齢を重ねた方、30~40代で発症が増えるようです。何らかの肌ストレスと関連がありそうです。

悪性黒色腫と粉瘤腫の治療法は

厳密には、粉瘤腫はほくろではありません。ですが見た目がほくろに近いので症状が見落とされ、悪化してしまう危険性を持っています。

ほくろから発生するメラノーマや、ほくろに見える粉瘤腫はどのように治療していくのでしょうか。家庭でできる処置はあるのでしょうか。

悪性黒色腫の治療はガンと同じ手順で進められます

悪性黒色腫、メラノーマは皮膚ガンの一種なので、発見されたときのステージによって治療の方針が決められます。

悪性黒色腫のステージ別治療法

  1. 1~2の段階 外科手術でガンである部位を取り除きます
  2. 3の段階 外科手術のあとリンパや他の臓器の補正治療を行います
  3. 4の段階 既に他の臓器に転移していることもあるので、薬物療法や放射線治療を行います

悪性黒色腫の特徴は、足の裏や爪など、ほくろができにくい場所にも現れると言うものです。そのため多くは早期に発見されて、除去手術が行われます。

粉瘤腫は外科手術で取り除きます

粉瘤腫は一度できてしまうと自然治癒することはありません。ですが、良性の腫瘍なので、そのままほうっておく人も多いようです。

確かに粉瘤腫は強い痛みを発生しない場合は特に問題のない症状です。ですが炎症を起こしていると治療が必要になります。

粉瘤腫が炎症を起こす原因
以前は、粉瘤腫は袋の中にたまった古い角質などに雑菌が繁殖して炎症を起こすのだと考えられていました。

昨今ではそうではなく、無理に触って袋を破いてしまうために、中身が外に露出してそこから炎症を起こしてしまうことがわかっています。

粉瘤腫は、にきびのように「潰したらなおる」と勘違いしている人が多い問題を抱えています。

ですが、潰すと袋にできた傷から雑菌が繁殖して、余計に腫れる原因を作ってしまいます。患部が腫れてきたら外科手術が必要になります。

粉瘤腫の治療はへそ抜き法やほぞ抜き法とよばれます。腫れている部分を切開して袋を取り出し、元通り縫合します。

ほくろトラブルの治療は必ず皮膚科で

粉瘤腫を潰して治そうとしたり、民間療法でほくろガンが治ったなどという体験談もあります。

ですが、粉瘤腫は既にあげたように潰すと余計に悪化してしまい、ガンに対する民間療法はまだ科学的根拠がありません。

痛みを伴う、腫れている、どんどん大きくなる、などの状態にあるほくろは、もしかするとほくろではなく皮膚疾患かもしれません。

自分で治そうとはせずに、皮膚科に相談することが一番よい方法です。ガンである場合は転移しないうちに診断してもらうことも重要ですから。

普通のほくろは痛まない。痛みがあるときは病気を疑う

ほくろは湿疹やできもの、いぼと間違われる場合もありますが、多くの場合は治療の必要のない状態にあります。

ですが、もともとあったほくろや新しくできたほくろのようなものに痛みを伴っている場合は、すぐ皮膚科に相談したほうがいいでしょう。

素人の判断は重篤な病気を見落としてしまうこともあります。民間療法を試すよりは、かかりつけで見てもらいましょう。

除去が必要なほくろやそうでないほくろなどの判断をしっかりと病院でして貰う必要がありますね。

除去できるほくろかどうか、セルフケアでやってはいけないことなどをまとめた下記の記事も是非読んでみてくださいね。

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